雑記:2010/04/01
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【荒の拳 その2】 「悪いけど、雑魚に構っている場合じゃないのよ――!」 そう言う巴の頭上に、一つの巨大な篭手が降り注ぐ。ニイ、とその篭手に埋め込められた女の地縛霊が笑みを浮べる――。 「お……!」 重いその一撃を巴は頭上で両腕をクロスさせて受け止める。ガードを突き抜けて来るダメージに巴が吼える。 「舐めた真似してくるわね、慙愧王――!」 『ォ、オオオオオオオオッ!』 |
雑記:2010/04/01
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【荒の拳 その3】 見上げんばかりの鎧武者――慙愧王とその周囲に群がるゴーストの群れに、巴が地面へと拳を叩き付けた。
――古武術荒流・叢雲。
一瞬遅れ、衝撃が全周へ駆け抜けた。その一撃に、ゴースト達が其の場に縛り付けられ、進行が食い止められる。 「一体一体じゃ面倒だから、あなた一体だけこいつをあげるわ」 ギシリ、と巴が右の拳を握り締める。それだけで、その身に凝縮された気が暴風を巻き起こす。 |
雑記:2010/04/01
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【荒の拳 その4】 「古武術荒流――」
その一撃は、十の神が拳に同じ――!
「――十拳ぁッ!!」 ゴンッ! と一直線に暴風が放たれた。その暴風に巻き込まれ、慙愧王の体が軋む。 『オ、ォ、ォ、ォ、ォ――!!』 一撃、ニ撃、三撃――追撃の嵐に、慙愧王の体が歪み、砕け散る……! 「じゃあね、慙愧王」 巴が呟けば、そこにはもはや一体のゴーストも残っていない。慙愧王の消滅と共に消え失せたのだ。 |
雑記:2010/04/01
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【荒の拳 その5】
――古武術・荒流。 神代の時代から受け継がれし、荒(スサ)の称号を持つ者だけに許された一子相伝の拳。 その拳は、今の歴史の闇の中に脈々と受け継がれているという……。
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雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その1】 ――目を覚ませば、そこは見知らぬ天井だった。 「……そんなアニメがあったなあ、おい」 そんな事を呟けば、俺は体を起こした。 品のいい調度品と簡素ながら清潔なベッド。どうやら俺はそこで眠っていたらしい。 「どこだっけか? ここ」 記憶が定かではない。俺はこの状況を把握しようとした瞬間、ガチャリと木製のドアが開いた。 「あー」 そのドアの隙間から覗く相手に、俺は苦い表情をした。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その2】 四つか五つか、それくらいの女の子だ。さらさらした銀の髪、怯えながらもこっちを見詰める赤い瞳――その愛らしい顔立ちは、十年後か十五年後が楽しみな器量よしだった。 「あー、えっとだなあ」 「気が付いたかい? 旅人」 どう言おうものか困っていた俺に、その声がかけられた。その女性の声と言葉に――俺の記憶が少しばかり戻った。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その3】 「あんたは外で倒れてたんだよ。そこをマリーア……ああ、その子が見つけてたのさ。まあ、命の恩人だね。感謝しな」 「そうか――ありがとう」 俺がそう女の子――マリーアに深々と頭を下げると、マリーアは驚いたように目を丸くしマリーアの姉だという女性が弾けた様に笑った。 「変わった男だね。日本人の男ってのはみんなそうなのかい?」 「いや、感謝しろって言ったのはあんたじゃないか」 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その4】 腹を抱えて涙さえ浮べて笑う女性に、俺が思わず文句を言うと「いやいや、馬鹿にしてるんじゃないよ」とパタパタ手を振った。 「子供を相手に、そんなに生真面目に礼を言う大人を初めて見たもんでね。なるほどね、マリーアが懐くわけだよ」 「……懐く?」 俺がマリーアを見れば、すぐに姉の後ろに隠れてしまう。とてもではないが、懐いてるようには見えない。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その5】 「この子はね、年が離れて生まれた末の妹なもんだから、みんなから可愛がられちゃってね、その性でか人見知りが激しいのさ。知らない大人がいる部屋に自分から入ろうなんて普段はしないんだよ?」 「……はあ」 「ほら、マリーア。言いたい事があったんだろう?」 姉に言われ、マリーアがその背中から顔を出した。そして、後ろに隠していたものを俺の前にさし出し消え入るような声で言った。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その6】 「……これ、なんておはな?」 それには見覚えがあった――俺が撮った写真の入ったアルバムだった。
……どうやら、マリーア嬢は俺が撮った故郷の写真がいたく気に入ったらしい。 『体がよくなるまでの間でいいから、話をしてやっておくれ』 そういって姉は出ていき、おずおずとアルバムを差し出すマリーアだけがそこに残された訳で。 「しかし、ものの見事に俺の力作には興味を示さないなあ、お前」 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その7】 俺は世界中の風景を撮って歩くカメラマンだ。そのアルバムには、それこそめったにお目にかかれない絶景が何枚もあるはずなのに、マリーアが説明を求めるのは日本のどこにでもある四季の風景だけだった。 「にほん、みんな、こんな、きれい?」 「気に入ったなら日本に来ればいい。毎日だって見られるさ」 徐々に距離が縮まりいつの間にやら膝の上にまで座るようになっていたマリーアに俺はそう答えた。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その8】 俺にとっては見飽きた風景――それがこの子にとって絶景なら、少しだけ誇らしく感じた。 「マリーア、みたい……さくら、うめ、もみじ、かえで……みたい」
夢見るようにそう呟く女の子に俺は――何て答えたのだろう?
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雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その9】 俺がどこに迷い込んで、あの少女と出会ったのか? 俺とマリーアが別れるまでにあったもう一つのプロセスが、思い出せない。まるでノイズの入ったフィルムのように不鮮明になっている。 それどころか、俺は忘れたくないはずなのにマリーアの顔すら記憶の中からぼけていく……遠くない未来、俺はきっとそんな日本の当たり前の風景に感動したあの純真な少女の事をすっかり忘れてしまうのだろう。 |
雑記:2010/04/01
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【Winter 2004 その10】
だから、願わずにはいられない。 どうか、あの子に日本の風景を見せてあげて欲しい。春の息吹を、夏の緑を、秋の紅葉を、冬の静寂を――お前の憧れた光景は、本当に存在するのだと。
俺に出来ない事を、どうか誰か――誰か。
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雑記:2010/03/28
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【波多野の聖杯戦争】 お疲れさまでした皆様。 何か調子に乗って雑記を更新しまくってますが、お暇なら眺めてやってください、マリーアと巴にとっての聖杯戦争がここにあります。
【マリーアの聖杯戦争】雑記数:13 【巴の聖杯戦争】雑記数:7
となっております。お暇な時にでも読んでやってくださいませ。 ちなみに、今回のでマリーアが「59」レベルになりましたー、めでたい!(笑) |
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