リヒト
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2010/04/01更新
 雑記:2010/04/01
【第六話:05】

そうまで言われちゃ仕方ねぇと、御萩侍、じっと代官を睨みます。
豪奢な着物に華美な刀。なんとも悪役に相応しい。
いや、しかし。しかしね、どうも。
ついついたわわに実った果実に、豊かな胸に目が行くのは、やっぱりこれも仕方がねぇってなもんで。

しの「なんてぇ凶器ぶら下げてやがる…」
さゆり「おい」

 雑記:2010/04/01
【第六話:06】

友歌「ただしパルス砲は胸から出る!」
さゆり「出るかッ!」
友歌「え、出ないの?」
しの「ロケットなんでしょうきっと」
友歌「あー、おっ○いミサイルかー」
さゆり「いい加減――」

さゆり「胸ネタはやめろ!」
しの「へ」

ついに激怒の悪代官、刀をぐわりと振り下ろします。
ところがどっこい御萩侍、おもむろに背中を向りゃあ、

友歌「あ」
さゆり「あ」
友歌「もうなんか恒例だねコレー!?」

 雑記:2010/04/01
【第六話:07】

友歌「いたーい…」
しの「大丈夫かゆっきー。男の子だろうしっかりしなぁ」
友歌「女の子です…か、かッ」
しの「か?」
友歌「――勘違いするな。貴様を庇った訳ではない」
しの「おー」

さゆりが握るその妖刀。
名を都武照零(ツンデレ)と申します。

さゆり「効力はその名の通り、斬った者をツンデレ化する事…!」
友歌「勘違いするな。効力を見たかっただけだ」
しの「ツンデレっていうかベジー○化ですよね」

 雑記:2010/04/01
【第六話:08】

さゆり「貴様もツンデレにしてやろうか!」
しの「は。ツンデレねぇ」

首筋狙う妖刀・都武照零。
けれどしのは微笑のまま。

しの「ツンデレなんてなぁ、10円のお菓子を『100万円だ』と笑いながらふっかける、駄菓子屋の爺ちゃんだけで充分さ」
さゆり「! 掴まれ…!?」
友歌「勘違いするな、妨害ではない! ちょっと抱きしめたかっただけだ!」
さゆり「なお悪いわ!」
友歌「旦那ぁ!」
しの「御萩流・奥義――」

 雑記:2010/04/01
【第六話:09】

しの「≪蓬≫(よもぎ)」

ああその剣撃、その太刀筋。
何処の誰に、目で追う事などできましょう!

しの「≪黒胡麻≫、≪白胡麻≫」
さゆり「…! ぐっ…」
しの「≪桜≫≪紫芋≫≪黄粉≫≪漉餡≫!」

御萩流――。
それは和菓子の奥深さを体現する、世界で唯一のぶれいど・すいーつ・あーつであります!

しの「――≪粒餡≫!! これ即ち御萩八変化…ッ!」
さゆり「お、ォ…ッ」

さゆり「お腹…減った…」

ずずーん。

 雑記:2010/04/01
【第六話:10】

さゆり「私の、負けね…」
しの「…あんたぁ、おはぎは好きかい?」
さゆり「え? 好き…だけど」

刀を向けた御萩侍、ふっと微笑をくれてやります。

しの「なら、いいさ。和菓子好きに悪い奴ぁいねーよ」
友歌「旦那…」

さゆり「あ、でも手が汚れるし」
しの「成敗ッ!」
友歌「旦那がキレた!?」
しの「冥途でナイフとフォークでも使ってるんだな…」
さゆり「ち、違っ、手が汚れるのも醍醐味よねって言いたかった!」

 雑記:2010/04/01
【第六話:11】

しの「これだからツンデレはよぉ…。まぁいいさ、見なー」

窓を示す御萩侍。
そこから見える景色がまぁ、朝日に照らされた山々の美しいのなんのって。

――かくして。悪代官を懲らしめた御萩侍でございます。
しかし第二第三の悪代官が現れないとも限りません。
この世の悪が消えるまで。
人の涙が尽きるまで!
御萩侍は、日夜戦い続けるのでありました――

しの「とりあえず胸もいでいいですか」
さゆり「え」

 終  劇 !

 雑記:2010/04/01
【スタッフロール】

▽キャスト
御萩侍:しの
悪代官:サユリ
盾:友歌

〜友情出演〜
用心棒A:椿
用心棒B:やなせ
用心棒C:アーダン
用心棒D:桜介

〜fin〜

 雑記:2010/04/01
【↑ 第六話 ↑】


―――境界線―――


【↓ 第五話 ↓】

 雑記:2010/04/01




      【本格大河恋愛絵巻】

     『―御萩侍  劇場版―』

    ※※一〜五話 公開中※※


 

 雑記:2010/04/01
【第五話:これが人情御萩道! 01】

アーダン「行くぞ」

振るうは妖刀・飴の村正宗虎雨(あめのむらまさむねこさめ)!
斬られた奴ぁ『無性に自分の得物を舐めたくなる』、強そうなんだか甘そうなんだかよく分からん妖刀でございます、が!

アーダン「ぬんッ!」
しの「おっと」

ひらりと避けたその場所の、畳がメキメキメキィってなもんで、えらい事になるんですから、ねぇ。
正味な話、たまったもんじゃありません。

 雑記:2010/04/01
【第五話:02】

友歌「なんか殺意高くない!?」
アーダン「互いに剣を抜いた以上、全力で臨むのが相手に対する礼儀だろう」
友歌「いやこれそんな真面目な話じゃないから!」
アーダン「安心しろ、峰打ちだッ!」
しの「峰でも潰されそうですが」
やなせ「逃がさないわよ」
友歌「ってこっちも来た!?」

前門の虎、後門の狼。
いやはやなんとも絶体絶命の、ぁまさにその時!

 雑記:2010/04/01
【第五話:03】

??「だらしねぇな御萩侍!」
しの「お?」

威勢のいい声宮城武士。
目を見開いてご覧じろ、襖を開けて現れた、その黒髪の用心棒を!
妖刀構えたそいつの名は、

椿「鳴子・椿。ずんだ餅の恩によって助太刀すんぜ!」
や・ア(ずんだ餅…?)
しの「ではここは任せますのでー」
椿「ここはおれに任せ…って決断早いな!? いいけどよ!」

が、そうは問屋が卸しません。
いつの間にやら男が一人、道を塞いでおります訳で。

 雑記:2010/04/01
【第五話:04】

桜介「おっと。ここは通行止めだよ、御萩侍」
やなせ「! 貴方」
桜介「人呼んで恋の伝導師――用心棒、白杉・桜介。愛するさゆりんのため、御萩侍! 裏切り者の椿ちゃんともど」
しの「長いわ御萩流裏伝≪なたでここ≫っ!」
桜介「きゅんっ☆(この衝動、甘味を求めるこの気持ち――これは恋…?!)」
しの「悪いな…私ぁおはぎ一筋って決めてんだよ」
桜介「ナタ、デ、ココ(ガクッ」
アーダン(できる…)

 雑記:2010/04/01
【第五話:05】

桜介の屍を踏み越えて、すたこらさっさと逃げ出します。
一路、上へ。ひたすら上へ。
代官さゆりの待つ場所へ。

しの「人ってもんはよ、御萩みてーなもんなのさ」
友歌「御萩の旦那?」

背中に死闘を聞きながら、御萩侍呟きました。

しの「胡麻に黄粉に蓬餅。外面は色々変えられても、芯にあるモンは変わらねーのよ」
友歌「旦那ぁぁー!」

では今回は早めにご免。
次回最終話、悪代官との決戦でございます!

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