尾花ベイ緊急トレード！ＹＢ石井←→Ｆ江尻

　尾花ベイが緊急トレードに踏み切った。２軍で調整中の石井と日本ハム・江尻の緊急トレードを決めた。ともにリリーフ陣の整備が必要で、右のサイドスローを求める横浜と左が手薄な日本ハムの思惑が一致。開幕６日間での電撃補強につながった。１日にも両球団から発表される。

　尾花ベイが緊急補強を決めた。横浜が交換トレードで日本ハム・江尻慎太郎投手（３２）を獲得することが３１日、分かった。石井裕也投手（２８）が相手で、両球団とも合意。１日にも発表される。

　横浜は守護神候補として獲得したブーチェックが不安定で、開幕直前に急きょ先発要員だった山口を、昨年までのストッパーに再転向させた。勝っている展開で抑えにつなぐリリーフ陣も盤石とはいえず、勝利の方程式を完成できない。特に右の中継ぎはベテランの木塚、真田、新人の加賀を勝ち負け問わず使いながら、手探り状態で整備を進めている。

　江尻は２試合連続失点で２３日に２軍落ちし、再調整をしているものの、サイドに転向した昨季は中継ぎで４５登板し、２勝１敗、１２ホールドで防御率３・２０と安定した。開幕から５試合で３度逆転負けし、リリーフ陣の整備が急務の横浜は、日本ハムのリーグ制覇に貢献した中継ぎ右腕の実力を評価した。経験豊富な江尻の加入が横浜リリーフ陣に与える刺激も期待できる。

　石井は今季、開幕を２軍でスタートしたが、日本ハムは中日から横浜に移籍した０８年に中継ぎで残した防御率２・３８の実績に注目。チームには建山、加藤武ら江尻と同じ横手投げの中継ぎ右腕が多く、一方で中継ぎ左腕が宮西１人と手薄なこともあり、石井に白羽の矢を立てた。

　２年連続最下位からの脱出を図る横浜と、リーグ連覇を狙う日本ハム。どちらもリリーフ陣が不安定で、人材の交換が投手陣とチームに刺激を与えることを期待。両球団は、昨年１１月の３対３（稲田、坂元、松山←→加藤武、松家、関口）の交換トレードに続く、緊急補強となった。

　◆石井　裕也（いしい・ゆうや）１９８１年７月４日、横浜市生まれ。２８歳。横浜商工高（現・横浜創学館）から、三菱重工横浜硬式野球クラブを経て、０４年ドラフト６巡目で中日に入団。０８年６月に、交換トレードで横浜に移籍した。先天性難聴というハンデを感じさせない、気迫あふれる投球を見せる。プロ通算は１１４試合で９勝１０敗６セーブ。防御率３．８２。１７８センチ、７８キロ。左投左打。年俸２６５０万円（推定）独身。

　◆江尻　慎太郎（えじり・しんたろう）１９７７年４月３０日、仙台市生まれ。３２歳。仙台二高から早大に進み、０１年ドラフト自由枠で日本ハムに入団した。０７年１０月に右ひじじん帯の再腱（けん）手術を受け、０８年の登板はなかったが、０９年には４５試合に登板した。プロ通算１３０試合で、２４勝１５敗１セーブ。防御率４・７７。１８７センチ、７８キロ。右投右打。年俸３６００万（推定）。既婚。