2010年4月1日
アダルト情報を書いたショートメッセージを携帯電話に無差別に送りつけるなどして誘導に応じた人の電話番号を自動収集するシステムが、振り込め詐欺団に悪用される事件を愛知、富山県警などが摘発した。電子メールと比べてメッセージを簡単に大量に送れるうえ、だます相手を特定のアクセス行為をした人に絞れることから、詐欺の「成功率」を高めようとした仕組みとみられ、両県警は事件の全容解明を進めている。
愛知、富山両県警の合同捜査本部が2009年3月からこれまでに詐欺などの疑いで東京都や大阪市などの計8人を摘発した事件で使われていたシステムはこうだ。
電話番号あてに短い文章を送る携帯電話のショートメッセージサービス(SMS)で、インターネットのURLを書いたメッセージを送りつける。
「エリだよ(ハートマーク) 楽しいから見てね! http://――」
電話の利用者がサイトにアクセスすると、わいせつ画像を見られることをうかがわせる画面が開く。「無料サンプル」のボタンをクリックすると「登録されました」とだけ表示され、画像は見られない。
実はクリックすると、その時間と誘導に応じた人の電話番号が知らぬ間にショートメッセージの送り主のコンピューターに送られる仕組みで、詐欺団側はこの情報を元に「退会料」などを架空請求する電話をかけていた。
電話番号あてにメッセージを送るSMSは、電子メールと違い、「090―○○○○―××××」などと数字を組み合わせるだけで、無差別にメッセージを送れる。一般的な振り込め詐欺事件では、だます相手を選ぶのに卒業生や訪問販売の顧客、資格講座の受講者など特定の集団の名簿が必要だが、このシステムならクリックした人の情報だけを簡単に集められる。
愛知県警が詐欺団から押収したパソコンを分析したところ、09年1月までの約4年間にショートメッセージが送りつけられ、詐欺団のサイトに誘導された人は約28万人。このうち、クリックして電話番号などの情報まで取られた人は約5万5千人に上った。県警は、その後、電話をかけられた約1千人が総額約7億円の振り込め詐欺の被害に遭ったとみている。
このシステムを詐欺団に売ったのが、東京のインターネット関連会社役員の男性(37)=詐欺幇助(ほうじょ)容疑で逮捕、起訴猶予処分=だった。パソコンと携帯電話をつなぐ基板とソフトが入ったCD―ROMの一式で約200万円。男性は「メール配信会社の社員」を名乗る男女から数セットを買っていた。だが、これまでの捜査では男女の素性はわかっていないという。
今年2月に奈良、鹿児島両県警が逮捕した振り込め詐欺団も、携帯電話のアダルトサイトのバナー広告をクリックすると、勝手に電話がかかる類似の仕組みを利用していたという。
メール配信システムに詳しいマーケティング関連会社は「システムはプログラミングができる人なら簡単に作れる」という。愛知県警捜査2課は類似のシステムが次々に生み出されている可能性もあるとみている。(小林恵士)
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