日大豊山悲願の初出場

東東京▽決勝(神宮球場)
日大豊山 011 200 001|5
国士舘  010 010 020|4
【日】加藤―相川大【国】中村彰、荻、森本―北村

 強豪を次々となぎ倒してきたノーシードの日大豊山が、2時間35分の熱戦を制し、初の栄冠に輝いた。

 日大豊山は二回、二塁打の辻村を犠打で三塁に進め、金子の三塁打で先制。三回には三塁打の西川をすかさず相川大が適時打でかえし、四回は二死一、三塁から主砲小野崎の左中間二塁打で2点を加えるなど着実に加点。長打がすべて得点に結び付き、中盤まで終始優勢に試合を進めた。

 試合が振り出しに戻った直後の九回は、四球の金子を深沢が確実に送り、内野ゴロの間に二死三塁。3番桑原が放った中前打で決勝点を入れた。

 エース加藤は、国士舘の強力打線に11安打を許し徐々に詰め寄られた。しかし、八回、同点適時打の打者走者を二塁で刺殺した好守にも助けられ、重圧のかかる九回は三者凡退に退けた。

 国士舘は、二、五回に1点ずつを返し、八回には二死二、三塁から北村の左前打で同点に追いついたが、固さが目立つ試合運びで今一歩攻め切れなかった。

9回2死 執念の決勝打

決勝打を放った日大豊山の 桑原 義行主将(3年)

 「主将のお前が決めてこい」

 これが福島光敏監督の指示だった。同点で迎えた九回表二死三塁、地鳴りのような大声援を背に受けて打席に立った。「何が何でも」と気合を入れ、2球目を強打。白球は鮮やかな中前打となり、勝ち越しの走者がホームインした。

 緊張感からか、序盤から中盤にかけては不振だった。四、五回の追加点のチャンスに、いずれも力みすぎて凡フライ。安打を連ねるチームメートを横目に、焦りは募るばかりだった。

 準決勝まで打率4割7分8厘で、本塁打1本、打点10と決して調子は悪くなかったはずだ。

 「みんな頑張っている。オレも打たなければ」。カリカリしているのが自分で分かった。心配したチームメートが声をかけてきた。

 「決勝だからって意気込むな。リラックスしていこうぜ」

 自然と力みが抜け、八回、左前打で出塁。自信を取り戻していた直後に迎えた6打席目だった。

 昨夏の大会直後に主将に選ばれ、「つらいことはいろいろあった」が、ナインに励まされてここまでやってこられた。

 自らのバットで呼び込んだ甲子園行きの切符。歓喜の応援スタンドからは、「桑原、よくやった」「最高だったよ」と声が飛んだ。

 「ぼくの力で優勝したんじゃありません。ベンチに入れなかった部員も、応援してくれたクラスメートも、みんながヒーローなんです」

 夢の大舞台での抱負を聞かれると、「一戦一戦を大切に。恥ずかしくないプレーを」と答え、「まだ実感がわかない」と付け加えた。

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