ここから本文です。現在の位置は トップ > 地域ニュース > 山梨 > 記事です。

山梨

文字サイズ変更
はてなブックマークに登録
Yahoo!ブックマークに登録
Buzzurlブックマークに登録
livedoor Clipに登録
この記事を印刷

甲府・保険医登録取り消し:処分取り消し命じる 地裁「裁量権を逸脱」 /山梨

 甲府市の小児科医院「みぞべこどもクリニック」(同市塩部4)の保険医療機関指定と溝部達子院長(54)の保険医登録を5年間取り消した行政処分を不服として、クリニック側が国に処分の取り消しを求めた訴訟で、甲府地裁(太田武聖裁判長)は31日、原告の訴えを認め、処分の取り消しを命じた。

 判決によると、山梨社会保険事務局(現厚生労働省関東信越厚生局山梨事務所)は05年11月、対面診察をせずに薬を処方するなどして、診療報酬を不正に請求したことを理由に処分を行った。

 一方、クリニック側は、患者の立場を考えてのことであり、金額も少額だったとして、処分は重すぎるなどと主張していた。

 判決は診察なしの処方などについて「患者のための行為」と原告の主張を認め「処分は著しく妥当性を欠き、(行政の)裁量権を逸脱している」と判断した。また、裁量権については「医療機関や医師の不利益を考えると限度があり、処分が社会通念上著しく妥当性を欠く場合は逸脱、乱用にあたる」との判断基準を示した。

 同日の法廷には、同クリニックを利用する親子約30人が傍聴に集まった。判決後の記者会見で溝部院長は「支援してくれた皆さんに感謝したい。保険制度の審査や指導の問題を知ってもらうきっかけになってほしい」と話した。

 長女(6)がかかりつけという同市山宮町、主婦、平沢明子さん(42)は「体の弱い子で先生にはとてもよくしてもらっている。安心しました」と喜んでいた。

 同事務所は今後の対応について「厚生局と協議して検討したい」と話した。【水脇友輔】

毎日新聞 2010年4月1日 地方版

PR情報

山梨 アーカイブ一覧

 
郷土料理百選
地域体験イベント検索

おすすめ情報

注目ブランド