哨戒艦沈没:「束草」が撃ったのは鳥の群れ?

疑問検証(2)

 26日夜に哨戒艦「天安」が沈没した後、周辺を航行していた哨戒艦「束草」が鳥の群れを誤認し、対空射撃を行ったとの説明があった。これをめぐり、同艦が鳥の群れではなく、別の目標を撃ったのではないかという疑惑が浮上している。

 沈没した「天安」と同型の「束草」は、「天安」が原因不明の爆発を起こしてから1時間後の午後11時ごろ、レーダーがとらえた正体不明の目標に向け、76ミリ砲で5分間にわたり射撃を加えた。軍当局は「目標は鳥の群れだったことが判明した」と説明したが、北朝鮮の戦闘機などほかの目標だったのではないかとの疑念をぬぐうことができない。一部では「対空レーダーを持たない束草がどうやって鳥の群れを探知して射撃したのか」との疑問も示されている。

 「天安」や「束草」は、SPS-64対水面レーダー、ST-1802追跡レーダー、WSA-423射撃制御装備などを備えているが、対空専用のレーダーは持たない。軍関係者は、追跡レーダーと射撃制御装備で近くに存在する空中の目標をとらえることは可能だと説明している。その説明によれば、鳥の群れを攻撃することも可能だった。

 金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は29日、国会国防委員会での答弁で、束草が射撃したのは鳥の群れで間違いないと答弁している。しかし、口径が小さく、対空射撃に向いている40ミリ砲を使わず、海上の艦船や半潜水艇などを攻撃するのに用いる76ミリ砲で射撃を行った点、哨戒艦が2隻もペンニョン島海岸付近にいたのは異例である点などから、目標が本当に鳥の群れだったのかという疑問が生まれる。専門家や脱北者らは今回の事故に関し、北朝鮮の潜水艇か半潜水艇による魚雷攻撃または機雷攻撃の可能性を指摘している。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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