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「日本を安保理常任理事国にすべき」…サルコジ演説に中国で罵声

3月31日17時18分配信 サーチナ

 「日本が国連安保理の常任理事国にならないのはおかしい」――。フランスのサルコジ大統領が29日、訪問先の米ニューヨーク市内にあるコロンビア大学で演説したことで、中国のインターネットが“炎上”した。2005年に中国で大規模な反日運動が発生した際のきっかけも「常任理事国入り」の問題だったが、今回はフランス批判が多いことが特徴だ。

 サルコジ大統領は、日本が常任理事国でない理由を「極めて単純。戦争に負けたから」と述べ、第二次世界大戦終結期に作られた国連安保理の枠組みが、現在の国際情勢にはそぐわないとの見方を示した。同大統領はアフリカや中南米からも、常任理事国が選出されるべきだと主張した。

 同記事を報じた中国のニュースサイト「環球網」には、サルコジ大統領とフランスを非難するコメントが、次々に寄せられた。

 サルコジ大統領に対しては、あと2年で辞めるのだから、好き勝手なことをいっているとの書き込みがある。同大統領が、常任理事国のメンバーが現状を反映していないと主張したことから、フランスが常任理事国であることが、そもそもおかしいとの意見もある。コメントの冒頭では、サルコジ大統領の発言に賛意を示し、その後で、フランスと交代すればよいと皮肉るなどだ。

 フランスは、第二次世界大戦の早い時期にドイツに敗れ、最終的にドゴール将軍が率いる亡命政府が「抗戦」を続けた。そのため、安保理常任理事国中では唯一の敗戦国と、ののしる書き込みもある。

 ドイツなら、常任理事国として認められる意見もみられる。中国では、ドイツ首相がユダヤ人虐殺などで謝罪したことが、繰り返し報じられたこともあり、「ドイツは歴史的責任を痛感している。日本は違う」と考える人が多い。

 日本の常任理事国入りに反対する意見として、安保理で米国の票がひとつ増えるだけだとの指摘もある。

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◆解説◆
 中国における2005年の反日運動の背景には、小泉純一郎首相が2001年の就任以来、靖国神社への参拝を続けていたことがあった。05年3月に、日本が国連安保理の常任理事国入りを目指していることが報道されてから、中国各地で反対署名運動などが起こり、4月には大規模なデモが発生。一部が暴徒化して、日本大使館、領事館、商店などに被害を与えた。

 胡錦濤政権は2003年の発足当時から、「日本との歴史問題は解決済み」などとする「新思考外交」の実現を模索していた。しかし、05年当時は共産党・政府上層部では、対日強行策を続けていた前政権の江沢民派の勢いも強く、胡錦濤政権を牽制(けんせい)するために、反日運動をあおったたとする見方がある。

 中国では現在でも、日本に対する警戒感や反感が根強いが、世論調査をによると、10代の若者を中心に「日本が好き」と考える人も増えている。(編集担当:如月隼人)

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最終更新:3月31日17時18分

サーチナ

 

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