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不動産不況…大阪“最後の一等地”24ヘクタール静かな門出 (1/2ページ)
JR大阪駅北側に広がる「梅田北ヤード」(大阪市北区)の再開発事業で、東側に位置する先行開発区域(7ヘクタール)が31日、着工。「大阪最後の一等地」の大規模プロジェクトが動き出す。地盤沈下が続く関西経済の成長の核として期待されているが、開業時期が1年以上延期されて平成25年春になるなど計画の見直しなどを迫られたうえ不動産不況やオフィス需要の低迷が直撃。大阪・キタで商業施設が飽和状態になるなど先行きを危ぶむ声も上がっている。
全体900億→3400億円
「経済環境は厳しいが、開発主体は知恵を絞って大阪の活性化につながる街をつくってほしい」
関西経済同友会の中野健二郎代表幹事はこう話す。
先行開発区域はオリックス不動産や三菱地所など12社の企業連合が開発。オフィスや商業施設、高級ホテル、マンションなど33〜48階建て超高層ビル4棟を建設する。計画では、最先端のIT(情報技術)やロボットなど近未来の技術を集めたナレッジ・キャピタル(知的創造拠点)を中核施設とする。街全体で一元的にエネルギー管理する環境先進都市のモデルも目指す。
だが、期待の大型開発に影を落とす要因の一つが土地の取得価格だ。関係者によると、当初は北ヤード(約24ヘクタール)全体で約900億円だった土地価格は、不動産バブルと激しい競争入札で急上昇。結局、落札価格は先行開発区域約7ヘクタールだけで3400億円に上ったといわれる。
これが建物の容積率の緩和なしには採算が取れなくなり、オフィスやマンション、商業施設などの過剰供給につながるという。