わずか７年「私の仕事館」が閉館

閉館案内が掲示された「私のしごと館」を出る家族連れ

　雇用・能力開発機構の職業体験施設「私のしごと館」（京都府）が３１日、閉館した。５８１億円を投じて建設されたが、営業期間は２００３年３月からのわずか７年。「学研都市全体にマイナスイメージが付く」と地元から不安の声が上がる中での幕引きとなった。

　春休みと重なった最終日。館内は家族連れなどでにぎわい、約１５００人が入場した。京都府精華町の主婦（３６）は「本格的な仕事体験ができたのに残念。今後どうなるか分からず地元として不安だ」と話した。

　同館は関西文化学術研究都市の中心部にあり、０８年度は約３０万人が利用。最近は修学旅行など団体旅行が多く、ある旅行代理店は「職業体験を修学旅行に盛り込む学校が増え、人気は高まっていた」と話す。

　一方、巨額の建設費や高い運営費用での赤字体質に批判が集中。０８年９月に民間に運営委託後、職員数削減や、親子で楽しめる体験プログラムを休日の個人客向けに増やすなど改善策を打ったが、結局閉館となった。

　施設は夏にも入札により売却予定。だが先行きは不透明で、京都府は入札が不調に終わった場合、研究施設としての建物活用策などを国に働き掛ける方針という。

（2010年3月31日20時04分  スポーツ報知）

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