「死んでも構わない」金づちで上司殴った４７歳逮捕

　上司の頭を金づちで殴って殺害しようとしたとして、警視庁中央署は３１日までに、殺人未遂の疑いで通信機器メーカー「ユニデン」社員の上野厚容疑者（４７）＝東京都世田谷区野沢＝を現行犯逮捕した。

　逮捕容疑は３０日午前８時１５分ごろ、中央区八丁堀２丁目の同社本社の階段で、出勤してきた直属の上司に当たる男性部長（５８）の頭部を背後から金づちで数回殴り、２週間の軽傷を負わせた疑い。

　同署によると、上野容疑者は、男性部長が健康のためにエレベーターではなく階段を利用することを知っており、階段で待ち伏せしていたという。男性部長が階段を上がってきたのを確認すると、あいさつを交わし、すれ違った直後に自宅から持ってきた金づちで殴った。目撃していた社員が１１０番通報し、駆けつけた中央署員が現行犯逮捕したという。

　上野容疑者は取り調べに対し、「毎日のように仕事のことで口うるさく注意され恨みに思っていた。有給休暇もくれず、死んでも構わないと思った」と供述し、容疑を認めているという。

　ユニデンの担当者は「逮捕された社員は非常にまじめでおとなしく、これまで上司とトラブルがあったという話は聞いていない。現時点で事実関係をすべて把握しているわけではないが、社員が逮捕されたことについて深刻に受け止めている」と話した。

[ 2010年04月01日 ]