中国当局、リオ・ティント社員に懲役14年

 英豪資源大手リオ・ティントの社員4人が、中国で収賄や産業スパイなどの罪に問われた裁判で、上海市第1中級人民法院(地裁に相当)は29日、最高で懲役14年の実刑判決を言い渡し、中国に進出する外国企業に波紋を広げている。

 判決によると、リオ・ティントの上海支社首席代表を務めていた中国系オーストラリア人のスターン・フー被告は、鉄鉱石の価格交渉を有利に進めるため、不正な手段で中国企業の秘密を入手したと認定され、懲役10年の実刑判決を受けた。フー被告は中国企業に有利な条件で鉄鉱石を売るなどの便宜を図る見返りとして、中国側から646万元(約8700万円)の賄賂を受け取っていた。また、同様に中国企業から最高で7514万元(約10億1700万円)の賄賂を受け取ったリオ・ティントの中国人社員3人にも懲役7-14年の実刑判決が下された。

 被告4人は2003年から09年にかけ、中国国内の小規模鉄鋼メーカーから賄賂を受け取っていた。フー被告は裁判で、弁護士を通じ、収賄の事実を認めた。

 判決について、オーストラリアのスミス外相は「厳しい判決だ。今回の裁判は非公開で行われ、有罪判決には解明されていない疑問がある」と主張した。

 中国政府が昨年7月、フー被告ら4人を逮捕した際、オーストラリア政府とリオ・ティントは、中国の国営アルミニウム会社、中国アルミ業(チャイナルコ)によるリオ・ティント株取得をオーストラリア政府が認めなかったことに対する報復だと反発していた。

 これに先立ち、上海市公安局の経済犯罪捜査班は今年1月19日、世界的なコンサルティング会社のマッキンゼーやファストフード大手のマクドナルドなど多国籍企業7社に務める中国人社員22人を収賄の疑いで摘発した。22人は上海のネットワーク設備会社に便宜を図る見返りとして、総額100万元(約1350万円)の賄賂を受け取った疑いが持たれている。

 賄賂やリベートの授受が依然として存在する中国のビジネス環境で、中国政府が取り締まり姿勢を強めていることに、進出企業は危機感を強めている。中国法人に勤務する社員、贈収賄などが習慣化している中国人社員らをいかに管理していくかが今後の課題として浮上している。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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