哨戒艦沈没:船内捜索に再挑戦(上)

死闘を繰り広げる潜水隊員

 29日夜9時。西海(黄海)ペンニョン島南西1.5マイル(約2.7キロ)、天安号艦尾が沈んでいる現場。艦内の酸素量から推定される生存者の最大生存期間である69時間は、この日午後6時30分にすでに過ぎていた。しかし暗黒の海底では、生存者を一人でも救出するため、救助隊員らは必死の作業を続けていた。海軍の関係者は「行方不明者家族の強い求めにより、作業は今も続いている」と述べた。

 艦尾は左に90度傾いた状態で、45メートルの海底に沈んでいる。海軍の3000トン級救助艇「光陽号」と周辺に待機している艦艇は、海に向けて強い光を照らした。そこを海軍海難救助隊(SSU)の隊員たちがゴムボートに乗って艦尾が沈んでいる地点に向かい、すぐ前も見えない真っ暗な海の中に次々と潜り込んでいった。

 同じ時間、事故が発生した地点からおよそ4マイル(7.2キロ)ほど南東でも、天安号の艦首が沈んでいる地点でSSU隊員らによる救助・捜索活動が続いた。

 わずかの希望を持ってこの日の作業は始まった。鎮海海軍基地からやって来た機雷捜索船のウンジン艦が、前日の夜10時31分に最初の沈没地点から北に200ヤードほど離れた地点で艦尾部分を発見した。その後午前9時にはSSU隊員らが艦尾部分を手探りで確認し、位置が分かるようブイを設置した。

 艦首付近では前日にSSU隊員らがすでにブイを設置、その周辺では機雷捜索船が位置と形状を何度も確認していた。救助隊員たちは希望を抱いて作業に望んだ。124人の海軍SSU隊員と陸軍特殊戦隊員30人以上で構成された韓国軍所属潜水隊員たちの動きも速くなった。

 しかし、希望と期待は徐々に薄れていった。朝8時13分に艦首部分沈没現場では、SSU隊員らが船体に近づいてハンマーで叩いたが、中からは何の反応もなかった。さらに午後1時20分には艦尾部分をハンマーで叩いたが、やはり何の反応もなかった。救助隊員らの表情には焦りの色が浮かび始めた。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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