哨戒艦沈没:漁船の「魚群探知機」が艦尾を発見

位置を通報した漁師チャン・セグァンさん

 28日、沈没した哨戒艦「天安」の行方不明兵士を救助する最後の希望である艦尾の位置を最初に発見し海軍に連絡したのは、ペンニョン島の漁師チャン・セグァンさん(35)だ。チャンさんは29日午後、イカナゴの旬を迎え、網の手入れに余念がなかった。1998年、ペンニョン島海兵隊第6旅団から除隊した後、島に残って漁業に従事しているチャンさんは「普段から軍と緊密な協力関係にあるペンニョン島の住民としてすべきことをしただけ」と話した。

 チャンさんは28日午後1時30分ごろ、6トン級の漁船ヘドク号に乗り、ペンニョン島西南端にある蓮花里沖に出た。南浦里漁業組合長のヨンソン号と一緒だった。チャンさんは28日午前、海兵隊から「捜索活動に参加してほしい」との要請を受けたという。

 普段はカニなどが取れる好漁場だが、チャンさんは「事故後に行ったのはその時が初めてだ」と話した。その一帯は「天安」が最初に爆発した地点から40-50メートル離れた場所だった。チャンさんは「軍から“天安”が沈没している可能性が高い場所を示してもらい、半径200-300メートルを捜索した。周囲に軍艦や警備艇が10隻以上はいたと思う」と話した。

沈没した海軍哨戒艦「天安」の艦尾を発見した漁船ヘドク号の船長チャン・セグァンさんが29日、ペンニョン島チャンチョンポ港で発見当時の状況を説明している。/写真=キム・ヨングク記者

 3時間ほどたっただろうか。付近の海域を回りながら捜索作業を行っていたチャンさんの漁船の魚群探知機に異常が探知された。水深42メートルの地点だった。チャンさんは「船が二つに割れたような四角形の形だった。大きさも普通の岩よりかなり大きく、場所も海軍が示した地点だったため、“天安”だと思い、一緒に捜索していた近くのチャムスリ(オオワシ)型高速艇に知らせた」と話した。チャンさんは、魚群探知機に現れた形状の写真を4枚撮って海軍に送った。

 魚群探知機は船底から超音波を海底に向けて放ち、反射してくる形状から魚がいる場所をとらえる機械だ。ある船長は「釣りをするとき、魚がいそうな岩を探すのに魚群探知機が有用だ。高性能の魚群探知機なら、岩の形が尖っているのか丸いのかはもちろん、魚も大きいものであれば見つけることができる」と語った。

 チャンさんが「天安」の艦尾を探すために乗った漁船は高性能の高速艇ではなく、建造から17年たった漁船だった。「天安」の艦尾を発見したチャンさんの魚群探知機は、4年前に購入した250万ウォン(約20万4000円)のものだ。チャンさんは「周囲に警備艇や軍艦が何隻かいたが、それらにも魚群探知機があるかはよく知らない。誰が発見したかより、一日でも早く発見できてよかった」と話した。チャンさんから「天安」の艦尾の沈没地点を伝えられた海軍は、同日夜10時になってようやく、機雷除去艦「甕津」の音波探知機で艦尾と推定される物体を最終確認した。

艦尾発見地点。29日午後、仁川市甕津郡ペンニョン面の沖合で「天安」の艦尾沈没地点にブイが浮いている。韓国救助協会の会員が海軍の協力を得て、行方不明者の捜索のために潜水の準備をしている。/写真=キム・ヨングク記者

ペンニョン島=朴国熙(パク・グクヒ)記者

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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