SC第一銀の会計ミス、懲戒に手加減指摘も
スタンダード・チャータード銀行系列のSC第一銀行が昨年、利益の不正な会計処理を指摘された問題で、金融監督院は29日までに、当時同行の最高財務責任者(CFO)を務めていたリチャード・ヒル現銀行長には重い懲戒処分を下さず、現職のCFOだけに重い処分を下す方針を固めた。処分内容をめぐっては、金融監督院が手加減を加えたのではないかとの指摘も出ている。
金融当局と業界筋によると、金融監督院は現在SC第一銀のCFOを務めるジェニス・リー副銀行長に減俸レベルの重い懲戒処分を下す方針を同行に伝えた。リー副銀行長に対する懲戒内容は、4月8日の制裁審議委員会で確定する。
銀行役員に対する懲戒処分は、重懲戒(解任、業務停止、問責警告、減俸)と軽警戒(注意)に分かれる。規定によれあ、重懲戒を受けると、3-5年間は役員に就任できないため、リー副銀行長は退任を強いられる。
SC第一銀の会計ミス事件は、昨年10月に国会政務委員会の国政監査で創造韓国党の柳元一(ユ・ウォンイル)国会議員が指摘した。これを受け、金融監督院が特別監査を行った結果、同行は2008年10-12月期の最終損益が黒字だったのを赤字として処理し、その分を09年1-3月期の黒字に上乗せしていたことが判明した。不正な会計処理の規模は、税引き前利益で1300億ウォン(約106億円)、税引き後利益で987億ウォン(約80億円)に上った。
特別監査によると、同行は08年10-12月期に本来576億ウォン(約47億円・税引き後)の黒字を出していながら、411億ウォン(約34億円)の赤字として会計処理。その後、09年1-3月期の最終利益を本来1124億ウォン(約92億円)とすべきところ、2111億ウォン(約172億円)と計上していた。
同行は「会計ミスは英国式の会計処理方式を採用した結果で、金融当局に自主的に申告した。脱税など不正な目的には利用していない」と主張した。
これに対し、金融監督院は「脱税目的ではなくても、明確な会計ミスの責任は問わざるを得ない」との立場を示した。
しかし、金融監督院は当時のCFOで昨年12月に銀行長に昇進したヒル銀行長には重懲戒処分を下さない方針を固めた。ヒル銀行長への処分が注意レベルの軽懲戒にとどまった場合、銀行長ポストを辞任する必要はなくなる。
これについて、金融監督院関係者は「会計ミスに対する直接の行為責任が当時の実務者だった現CFO(リー氏)にあると判断した。当時CFOだったヒル氏に関しては、監督責任はあるが、重懲戒の対象ではないとみている」と説明した。
処分内容について、金融業界からは、昨年職務停止相当の重懲戒処分を受けて辞任した黄永基(ファン・ヨンギ)前KB金融持株会長のケースと比べ、バランスを欠くとの指摘が出ている。
金融監督院は昨年9月、黄前会長がウリ銀行の銀行長を務めていた当時、デリバティブ商品への投資損失数兆ウォン(数千億円)を出した責任を問い、職務停止3カ月の重懲戒処分を下した。金融監督院は当時、黄会長の直接の行為責任ではなく、包括的な監督責任を問い、処分を決定した。
ペク・ジョンフン朝鮮経済i記者
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