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【社会】

二輪車事故死 ヘルメット脱落 4割

2010年3月31日 夕刊

 東京都内で昨年、二輪車(オートバイ、ミニバイク)に乗車中に交通事故で死亡した五十八人の41・4%に当たる二十四人が、事故でヘルメットが脱げ落ちていたことが、警視庁の調べで分かった。あごひもをしっかり締めなかったケースが多いとみられ、同庁は「春の全国交通安全運動」(四月六〜十五日)で、ヘルメットの適切な着用などを重点的に呼び掛ける。 (伊東浩一)

 警視庁交通総務課によると、この割合は、現在の形で統計を取り始めた二〇〇七年が45・2%、〇八年が34・4%と高く推移している。

 同課は、脱落の原因は(1)あごひもの緩み(2)ヘルメットを浅くかぶっていた(3)「SGマーク」「JISマーク」のない安全規格外のヘルメットを着けていた−の順に多いと推測。事故によっては「適切に着用していれば助かった可能性がある」とする。

 ヘルメットは頭と顔全体を覆う「フルフェース」、頭と耳をカバーする「ジェット」、頭部だけの「ハーフ」の三種類がある。

 大手メーカー「SHOEI」(東京都台東区)の担当者は「フルフェースは多少あごひもが緩んでいても外れないが、ハーフ、ジェットと露出度が高い順に脱げやすい」と指摘する。

 ライダーがあごひもを緩めてしまう心理について「ヘルメットはかぶっているだけで苦しい。中・大型でスピードを出す人は恐怖を伴うので比較的しっかり締めるが、ちょっと出掛けるために小型や原付きに乗る人は、着用義務を果たすため形だけ頭に乗っけていることもあるのでは」とみる。

 都内の二輪車保有台数は全国最多。交通事故死者のうち二輪車乗車中の死者が占める割合は昨年28・3%(全国平均18%)、〇八年28%(同19・2%)と高く、警視庁は複雑な形状の交差点や多車線が混在する道路事情が一因としている。

 

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