インターネット新聞JANJANに、Yさん解雇事件の記事が掲載されました。
(区別のつかない労協関係者へ…この記事は「さとうしゅういち」さんによるもので、Yさんのものではありません。)
http://www.janjannews.jp/archives/2835208.html
さとうしゅういち
なごやボランティアNPOセンターの労組書記長Yさんが、指定管理者NPO法人ワーカーズコープ(労協センター事業団)から嫌がらせの末、解雇(除名)された事件。
名古屋地裁での仮処分(地位保全をYさんが求めている)の審尋が長引いています。
10月に第一回審尋があったのですが、11月、12月、1月、2月と既に5回の審尋となっています。ここまで長引くのは、異例なことです。
ここまでの展開を、ご説明します。
■解雇事由を証明できない労協側
まず労協側の申し立てとして、おかしいのは、「当初解雇は情報流出事件だったのに、証明できず解雇事由をすり替えている」という点です。
2009年4月NPOセンターから情報流出が疑われる事件が発生しました。「アースデイあいちlove&ビンボー春祭り」のチラシ発送時に、NPOセンターにしか登録されていない宛先にも郵便物が発送されて、その受取人が名古屋市に文句を言い、発送作業にも関わっていたYさんに嫌疑がかかりました。
ところが、Yさんの側の名簿などを調査してみたところ、そのような情報は全くなく、実は、その発送作業の前日、嫌がらせのために当局が行っていた大掃除によって、情報が混入した可能性が出てきました。
これは、わたしの記事でも報道されている「大掃除で大混乱」というものです。
なごやボランティア・NPOセンター 当局の大掃除で大混乱
http://www.news.janjan.jp/area/0904/0904111351/1.php
この「大掃除」は松垣所長が指揮をとり、労組嫌悪を露(あらわ)にして嫌がらせを繰り返していた職員KYが、嬉々として先頭に立って行ったものでした。
その後、ワーカーズコープ側は、Yさんに責任を押し付けるために、数時間に渡りYさんを監禁査問。
事実を述べて大掃除によって混入した可能性を指摘するYさんに対して「そうじゃないだろ、思い出せ」「こうなったらやるしかないな」「朝までやるぞ」などと脅しの文句を言いながら監禁査問。
その監禁査問は、複数の人間で取り囲み、何十回も同じ質問をして、ワーカーズコープにとって都合のいい回答を迫るものでした。松垣所長は、大掃除が原因ということになると、自分の責任になるので、それでは困るので、思い出せ、などと迫ったそうです。手前勝手も、ここまでいくと大したものです。
挙句のはてには、発作を起こして話すら出来なくなっているYさんを監禁しつづけ、最後にはNPOセンターから路上に連れ出し、一般道から見えない箇所で取り囲み、迫り続けるという無茶なものでした。
■役所の「水際作戦」で「ダブルパンチ」
それでもYさんは事実とは異なる証言を拒否、取り囲んでいたワーカーズコープの職員達が、飲み屋街に消えるのを待ち、這うように逃げ出して、なんとかたどり着いたNPOセンター周辺の公園でその夜を明かして、翌日役所に駆け込みました。
執拗なシフト削減により、生活保護基準をはるかに下回る収入で半年以上生活させられていたYさんは、このころ、すでに家が無くなっていたのでした。
ホームレス支援のアルバイト職員自身がホームレスに
http://www.news.janjan.jp/area/0906/0906074685/1.php
家も無くなり、貧窮するYさんに対して、労働組合(自治労ワーカーズコープ職員ユニオン…自治労あいち公共サービスユニオン)は、いったい何をしていたのだろうと疑問に思いますが、労組が腰抜けだったのではなく、ワーカーズコープの対応が予想以上に乱暴だったということなのでしょう。
まさか、生活保護基準以下で半年も生活させたら、家賃が払えずにホームレスになることくらいは、自治労の人も、算数が出来れば察しがつくはずのことです。
ところが、役所でYさんを待っていたのは、お決まりの「水際作戦」だったそうです。
役所の窓口の人は、同じく公共サービスを担うYさんが、職場でのあまりの仕打ちによってホームレス化したことに対して、「医療をスグに受けたいのならば、生活保護は医療だけでよいという同意書にサインしろ」などど嘘八百のことを言ってきました。
生活保護の同行支援などもしているYさんですから、これが根拠のない水際作戦であることは、すぐにわかりましたが、その当時のYさんは監禁査問の後で疲弊しており、その担当者の氏名と発言を記録して後で必ず対応すると誓い、まずは医療保護だけを受けたとの事でした。
そうして、さらにしばらく、友人を頼ってホームレス生活をしたあと、Yさんは家を確保して休養。よくない体調ながらも立ち上がることを決心して、仮処分の申し立てをしました。
■変化する「解雇事由」。当初は情報流出、いまは、Yさんの関与していないものまで事由にされている?!
ワーカーズコープは「Yさんとは雇用関係が存在しない」などの無茶な論理を展開しました。
そして、Yさんの解雇事由となっていた「情報流出事件の疑い」が、仮処分の審尋を通じて、なんの証拠もなく、殆ど根拠のない話であり、当局側による大掃除が原因の流出の可能性が出てくると、ワーカーズコープは「一貫し態度が悪いこと」が解雇事由だとして、ありとあらゆることを「態度が悪い」として、並べ立てたのでした。
解雇の事由として挙げられたものには…
「団会議に出席していない」…
「団会議」とは、QCサークルのようなもので、賃金の出ない会議なのに業務命令が出るという違法なものです。そもそも、建前上は、経営者=所有者=労働者(それにより、資本主義の弊害を防ぐ)というワーカーズコープの組合員の権利としての会議です。
Yさんはこの会議の位置づけについて「可能な限りの出席でよい」ということを、松垣所長の上司の坂林専務理事と川辺本部長から確認をとっていたそうです。なお、この二人は裁判では一度も証言していません。
「みだしなみについての業務命令に従わなかった」…
この業務命令は、女性差別に基づいたひどい内容のもので、Yさん以外の女性職員の抗議によって実行不可能となっていました。
また、Yさんに関わるものも、差別につながる可能性もあるようなものだったので、Yさんが意図を理解するために親切に聞いたところ、松垣所長は何も説明せずに立ち去ったので、実行不可能だったものだそうです。
「情報誌・交流感電池を無断で印刷発行した」…
これはYさんではなく柴田委員長が行ったことで、Yさんは関係ありませんでした。
経緯を説明すると、そのような権限のない名古屋市から「発行禁止」を命ぜられたと主張するワーカーズコープを不信に思った柴田委員長が、名古屋市の担当部署に、内容証明を送って、交流感電池の内容の是非の確認をした事件です。
柴田委員長は内容証明を送ると同時に、印刷発行がすでに一ヶ月も遅れていた同誌をすぐに発行できるように、一人で印刷作業をしました。ですがYさんとは無関係な事件でした。
「団会議を妨害した」…
ワーカーズコープ当局が労組を無視して、一時的に増員された人員を使って、強引に多数決をとろうとした「労働者代表検挙」に対して、労働組合として抗議をしたことを、ワーカーズコープは「民主的な話し合いの妨害」と主張しています。
ですが、このような問題が発生するのは、そもそもワーカーズコープが「民主的な話し合い」をせずに、数の暴力によって押し切ろうとしたことに原因があります。
「ワーカーズコープからの手紙に返信しなかった」…
Yさんはワーカーズコープの嫌がらせによって、既に家を失っていました。その「自宅」の住所宛になにかを送っても、届くはずがありませんでした。また、Yさんは監禁査問事件以後、ユニオンの事務所を連絡先に指定していましたが、そちらにはワーカーズコープが電話連絡などをしてきたことはなかったそうです。
このように、さまざまな理由を解雇事由として並べ立ててきましたが、その中には、そもそもYさんが関わっていないもの、そもそも従う道理のない命令に従わなかっただけのもの、ワーカーズコープ側に落ち度があると思われるものがほとんどでした。
●次回、Yさん事件六回審尋
2010年3月16日11時より
地方裁判所にて。
応援の方は、少し前の時間にロビーにお越しください
ボランティアセンターのYさんを支える会
http://blog.goo.ne.jp/nagoya_vnpo_mondai
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
広島瀬戸内新聞ニュース
http://hiroseto.exblog.jp/
名古屋地裁での仮処分(地位保全をYさんが求めている)の審尋が長引いています。
10月に第一回審尋があったのですが、11月、12月、1月、2月と既に5回の審尋となっています。ここまで長引くのは、異例なことです。
ここまでの展開を、ご説明します。
■解雇事由を証明できない労協側
まず労協側の申し立てとして、おかしいのは、「当初解雇は情報流出事件だったのに、証明できず解雇事由をすり替えている」という点です。
2009年4月NPOセンターから情報流出が疑われる事件が発生しました。「アースデイあいちlove&ビンボー春祭り」のチラシ発送時に、NPOセンターにしか登録されていない宛先にも郵便物が発送されて、その受取人が名古屋市に文句を言い、発送作業にも関わっていたYさんに嫌疑がかかりました。
ところが、Yさんの側の名簿などを調査してみたところ、そのような情報は全くなく、実は、その発送作業の前日、嫌がらせのために当局が行っていた大掃除によって、情報が混入した可能性が出てきました。
これは、わたしの記事でも報道されている「大掃除で大混乱」というものです。
なごやボランティア・NPOセンター 当局の大掃除で大混乱
http://www.news.janjan.jp/area/0904/0904111351/1.php
この「大掃除」は松垣所長が指揮をとり、労組嫌悪を露(あらわ)にして嫌がらせを繰り返していた職員KYが、嬉々として先頭に立って行ったものでした。
その後、ワーカーズコープ側は、Yさんに責任を押し付けるために、数時間に渡りYさんを監禁査問。
事実を述べて大掃除によって混入した可能性を指摘するYさんに対して「そうじゃないだろ、思い出せ」「こうなったらやるしかないな」「朝までやるぞ」などと脅しの文句を言いながら監禁査問。
その監禁査問は、複数の人間で取り囲み、何十回も同じ質問をして、ワーカーズコープにとって都合のいい回答を迫るものでした。松垣所長は、大掃除が原因ということになると、自分の責任になるので、それでは困るので、思い出せ、などと迫ったそうです。手前勝手も、ここまでいくと大したものです。
挙句のはてには、発作を起こして話すら出来なくなっているYさんを監禁しつづけ、最後にはNPOセンターから路上に連れ出し、一般道から見えない箇所で取り囲み、迫り続けるという無茶なものでした。
■役所の「水際作戦」で「ダブルパンチ」
それでもYさんは事実とは異なる証言を拒否、取り囲んでいたワーカーズコープの職員達が、飲み屋街に消えるのを待ち、這うように逃げ出して、なんとかたどり着いたNPOセンター周辺の公園でその夜を明かして、翌日役所に駆け込みました。
執拗なシフト削減により、生活保護基準をはるかに下回る収入で半年以上生活させられていたYさんは、このころ、すでに家が無くなっていたのでした。
ホームレス支援のアルバイト職員自身がホームレスに
http://www.news.janjan.jp/area/0906/0906074685/1.php
家も無くなり、貧窮するYさんに対して、労働組合(自治労ワーカーズコープ職員ユニオン…自治労あいち公共サービスユニオン)は、いったい何をしていたのだろうと疑問に思いますが、労組が腰抜けだったのではなく、ワーカーズコープの対応が予想以上に乱暴だったということなのでしょう。
まさか、生活保護基準以下で半年も生活させたら、家賃が払えずにホームレスになることくらいは、自治労の人も、算数が出来れば察しがつくはずのことです。
ところが、役所でYさんを待っていたのは、お決まりの「水際作戦」だったそうです。
役所の窓口の人は、同じく公共サービスを担うYさんが、職場でのあまりの仕打ちによってホームレス化したことに対して、「医療をスグに受けたいのならば、生活保護は医療だけでよいという同意書にサインしろ」などど嘘八百のことを言ってきました。
生活保護の同行支援などもしているYさんですから、これが根拠のない水際作戦であることは、すぐにわかりましたが、その当時のYさんは監禁査問の後で疲弊しており、その担当者の氏名と発言を記録して後で必ず対応すると誓い、まずは医療保護だけを受けたとの事でした。
そうして、さらにしばらく、友人を頼ってホームレス生活をしたあと、Yさんは家を確保して休養。よくない体調ながらも立ち上がることを決心して、仮処分の申し立てをしました。
■変化する「解雇事由」。当初は情報流出、いまは、Yさんの関与していないものまで事由にされている?!
ワーカーズコープは「Yさんとは雇用関係が存在しない」などの無茶な論理を展開しました。
そして、Yさんの解雇事由となっていた「情報流出事件の疑い」が、仮処分の審尋を通じて、なんの証拠もなく、殆ど根拠のない話であり、当局側による大掃除が原因の流出の可能性が出てくると、ワーカーズコープは「一貫し態度が悪いこと」が解雇事由だとして、ありとあらゆることを「態度が悪い」として、並べ立てたのでした。
解雇の事由として挙げられたものには…
「団会議に出席していない」…
「団会議」とは、QCサークルのようなもので、賃金の出ない会議なのに業務命令が出るという違法なものです。そもそも、建前上は、経営者=所有者=労働者(それにより、資本主義の弊害を防ぐ)というワーカーズコープの組合員の権利としての会議です。
Yさんはこの会議の位置づけについて「可能な限りの出席でよい」ということを、松垣所長の上司の坂林専務理事と川辺本部長から確認をとっていたそうです。なお、この二人は裁判では一度も証言していません。
「みだしなみについての業務命令に従わなかった」…
この業務命令は、女性差別に基づいたひどい内容のもので、Yさん以外の女性職員の抗議によって実行不可能となっていました。
また、Yさんに関わるものも、差別につながる可能性もあるようなものだったので、Yさんが意図を理解するために親切に聞いたところ、松垣所長は何も説明せずに立ち去ったので、実行不可能だったものだそうです。
「情報誌・交流感電池を無断で印刷発行した」…
これはYさんではなく柴田委員長が行ったことで、Yさんは関係ありませんでした。
経緯を説明すると、そのような権限のない名古屋市から「発行禁止」を命ぜられたと主張するワーカーズコープを不信に思った柴田委員長が、名古屋市の担当部署に、内容証明を送って、交流感電池の内容の是非の確認をした事件です。
柴田委員長は内容証明を送ると同時に、印刷発行がすでに一ヶ月も遅れていた同誌をすぐに発行できるように、一人で印刷作業をしました。ですがYさんとは無関係な事件でした。
「団会議を妨害した」…
ワーカーズコープ当局が労組を無視して、一時的に増員された人員を使って、強引に多数決をとろうとした「労働者代表検挙」に対して、労働組合として抗議をしたことを、ワーカーズコープは「民主的な話し合いの妨害」と主張しています。
ですが、このような問題が発生するのは、そもそもワーカーズコープが「民主的な話し合い」をせずに、数の暴力によって押し切ろうとしたことに原因があります。
「ワーカーズコープからの手紙に返信しなかった」…
Yさんはワーカーズコープの嫌がらせによって、既に家を失っていました。その「自宅」の住所宛になにかを送っても、届くはずがありませんでした。また、Yさんは監禁査問事件以後、ユニオンの事務所を連絡先に指定していましたが、そちらにはワーカーズコープが電話連絡などをしてきたことはなかったそうです。
このように、さまざまな理由を解雇事由として並べ立ててきましたが、その中には、そもそもYさんが関わっていないもの、そもそも従う道理のない命令に従わなかっただけのもの、ワーカーズコープ側に落ち度があると思われるものがほとんどでした。
●次回、Yさん事件六回審尋
2010年3月16日11時より
地方裁判所にて。
応援の方は、少し前の時間にロビーにお越しください
ボランティアセンターのYさんを支える会
http://blog.goo.ne.jp/nagoya_vnpo_mondai
◇記者の「ブログ」「ホームページ」など
広島瀬戸内新聞ニュース
http://hiroseto.exblog.jp/