Google 音声検索が動物の鳴き声にも対応しました。

2010 年 4 月 1 日
Posted by 井上 陸(プロダクトマネージャー)、中嶋海介(ソフトウェアエンジニア)

先日リリースして以来、多くの皆様に好評をいただいている Google 音声検索。本日より、動物の鳴き声から感情や主張を読み取る機能が追加されました。



このプロジェクトは、ペットをオフィスに連れてくることも多い本社の社員が、音声検索の社内テスト中にふざけて自分のペットで認識テストをしてしまったことから始まりました。
本来、入るはずのないノイズに気づいた日本のエンジニア、中嶋海介は、この音声を分析中、波形パターンに独特の傾向があることを見つけました。そして、それが動物の声であることがわかったあと、20%ルールを活用して研究を進めました。その結果、Google音声検索の優れた認識率を実現する声道長正規化が一部の動物にも応用可能であることを発見したのです。

この成果により、音声検索が一部の動物の鳴き声にも試験的に拡張が可能になりました。
例えば、お腹が減っている犬の鳴き声を音声検索に読み込ませると、感情を読み取って、それに合わせた検索結果を表示します。
動物の鳴き声から感情を探る研究は他にも製品化されたものがありますが、それを検索に応用したのは世界初となります。
また、「もしかして」の部分には、該当すると思われる感情が「もしかして:嬉しい」などといった形で表示されます。

今回対応する動物は、まだ犬、猫、鳩 だけですが、対象となる動物を順次拡大していく予定です。


詳しくはこちらをご覧下さい

時刻 0:09

Google日本語入力チームからの新しいご提案

2010 年 4 月 1 日
Posted by Google 日本語入力チーム

みなさん、Google日本語入力は使っていただいていますか? 豊富な語彙と強力なサジェスト機能で思いどおりの日本語入力をサポートし、発表以来多くの方にお使いいただいております。

我々 Google 日本語入力開発チームは、もっと速く・効率的に入力できないか、日々研究を続けています。今年 2 月 17 日に発表した開発版では、そうした我々の取組みを実際に体験していただけると思います。

ただし、限界に突き当たることもあります。その一つがキーボードです。現在一般的に使われている QWERTY と呼ばれるキーボード配列は実は「遅く打つため」の配列になっているという逸話があります。この説によると、タイプライターが発明された際、機械的な故障や絡みを減らすために、わざと人間が速く入力しにくい配列にし、「a」や「enter」など、よく使われるキーが打ちにくい小指や薬指に配置されているのです。この説には様々な反論等もありますが、QWERTY 配列よりも人間工学的に最適な配列があると考えました。




様々なデザインから、Google 日本語入力のキーコンセプトである、1) 空気のように入力できる, 2) 変換の煩わしさを感じない に合致しているか が検討され、最終的には以下のデザインになりました。



このキーボードの特徴は、すべての JIS 第一水準文字がたった1ストロークで入力できることです。つまり、「素晴らしい」と入力するために、今まではローマ字入力なら 11 回(「subarashii+変換キー」)、かな入力でも 6 回(「すばらしい+変換キー」)と押していたものが、たった5 回で入力できるようになります。特に、今までは何度も変換キーを押して探さなくてはならなかった漢字などは、変換の必要すらなく一発で入力できるのです。





また、顔文字にも対応しているため、気持ちを表現する際に一発で顔文字を表示することができます。



早速開発者が試打してみました。



(開発者 小松のコメント) 
はじめは「Enter でかっ!」と思いました。よく考えると、そのほかのキーが小さすぎるような気もしています。ドラムの数をさらに増やして、キーを大きくする方が正しい方向かもしれません。もう少しよく考えてみます。



(開発者 向井のコメント)
仕事柄一日中パソコンに向かっていますが、これなら飽きずに楽しく、そして今までよりもずっと早く作業が進みそうです。

Google 日本語入力チームには、ドラムを演奏したことのある経験者がいないので、社内で経験者を募集、日ごろからドラマーとして活動している Search Quality チームの藤井君に試打をお願いしました。



(ドラマー藤井のコメント)
ダブルストローク(※1)を使ってキーが入力できるので、非常に高速なタイピングが出来る点が素晴らしいです。また、フィルイン(※2)を入れる感覚で、句読点や顔文字が入れられる点にも感動しました。

※1 1回のストロークで2回打面を打つテクニック。
※2 曲の展開が変わる場面で入れる装飾的なフレーズのこと。

最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば最速で日本語入力ができるようになります。将来的には、絵文字のレパートリーも増やしたり、新語を一発で変換できるパーツも追加していきたいと考えています。

本日より試打の予約を受けています。ぜひご予約はお早めに。



他にも多くの開発者、関係者がベータテストを行いました。その模様はこちらの Picasa ウェブアルバムでご確認ください。

Googleのミッションは世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです。
みなさんがすべての文字に最速でアクセスできるよう、これからも引き続き努力していく予定です。

よくある質問

Q. このドラムはいくらなんですか?
A. 現在試作品提供業者と価格設定について協議中です。できるだけ安価な価格で提供したいと考えています。

Q. どこで販売していますか?
A. 直接販売する予定です。試打予約をしていただいた方には、販売開始のお知らせをご連絡する予定です。

Q. 他の国の言語を入力するにはどうしたらよいのでしょうか。
A. 日本語で入力した後、Google翻訳を利用していただく形になります。

Q. 絵文字には対応していますか?
A. 現在顔文字まで対応しています。将来的に絵文字にも発展していきたいと考えています。(オプションパーツとして提供する予定)

時刻 0:01

本日、Google検索にしりとり機能を追加しました!

2010 年 4 月 1 日
Posted by 田畑 悠介、大倉 務、小西 祐介、 Google しりとりチーム

2 月 16 日に最新のニュース記事や、投稿されたばかりのブログ記事、ツイッターなどのマイクロブログや Google バズの最新の投稿を、検索結果に次々に表示する リアルタイム検索 を発表しましたが、今日、このリアルタイム検索に「しりとり」機能を追加しました。




検索結果を表示する際、そのキーワードに続いてG さんとG ガールが、自動的にしりとりを行います。単純なしりとりではなく、検索ボックスに入力された言葉に応じて、関連した内容のしりとりが展開する、高度なしりとりをお楽しみいただけます。

しりとり機能には、Google 日本語入力の技術が活かされています。 コンピューターが漢字かな混じりの単語の読みを推定するのは容易ではありません。そのため、Google 日本語入力で培った読み推定アルゴリズムと、辞書に収録された大量の語彙数が、しりとりのクオリティを向上させるために役立っています。

現在は β 版であり、主にしりとり目的で検索されたであろうと思われる単語に対して、しりとり機能が有効になります。対象となる単語は順次拡大していく予定です。どんな単語でしりとりができるか、探してみてください。

詳しくはこちらをご覧ください。

時刻 0:00

「いま、ここ」の“周辺情報”をモバイルで

2010 年 3 月 25 日
Posted by 佐藤春旗、泉祐介、ジョンウー・コー(ソフトウェアエンジニア)

これから食事に行きたいけれど周りにどんな店があるかわからない、これから何をするか決まっていないから近くに何か面白ものがないか知りたい、そんなことを思ったことはありませんか?

そんなニーズにこたえるため、日本のモバイルユーザー向けに “周辺情報” 検索の提供を開始しました。

使い方はとてもシンプル。Google 検索のホームページに iPhone からアクセスし、“周辺情報” リンクをクリックすると、GPS から取得した現在地情報に基づいて、周辺のお店やスポットが一覧表示されます。



この機能は、今いる場所の周辺情報をすばやく簡単に入手可能にすることを目標に開発されました。目の前のお店の情報のほか、近くにあるけれどもまだ知らないお店の情報が見つかるかもしれません。

これから行こうとしているお店について、ウェブ上の記事やレビューを、Google 検索のホームページからすばやく確認できます。もしかしたら、思ってもみなかったオススメのメニューが見つかるかもしれません。

また、現在地情報を利用して、「カフェ・喫茶」など、カテゴリを絞った検索も可能です。ちょっと時間の空いたとき、“周辺情報” を使えば近くの喫茶店も簡単に探せます。

“他のカテゴリも見る” リンクをクリックすると、Google ローカル検索のホームページが表示され、他のカテゴリも検索できます。

“周辺情報“ 検索は iPhone 向けに提供しています (*)。
Google 検索のホームページ (http://www.google.co.jp/m) から、ぜひ“周辺情報”をご利用ください。

*対応 OS は、 iPhone OS 3.x です。ご利用いただくには、機器の現在地情報を有効にしていただく必要があります。また、場所情報の精度が足りない場合には、検索結果が表示できないことがあります。Android については、Android の次期バージョン (2.x) からお使いいただけるようになります。Android 1.6 でのサポートについては、現在検討中です。



時刻 11:43

中国における事業展開について

2010 年 3 月 23 日
Posted by デビッド ドルモンド / 企業開発担当副社長、最高法務責任者

Google は 1 月 12 日に、Google を含めた 20 社以上の米国企業が、中国からの高度なサイバー攻撃を受けたと発表しました。また、中国に関連した複数の人権活動家のGmail アカウント情報が、フィッシングやマルウェアなどにより日常的に外部からアクセスされている形跡があることが分かりました。これらに加え、中国ではインターネット上の言論の自由が制限されており、Facebook、Twitter、YouTube、Google ドキュメント、Blogger などのウェブサイトの規制が昨年から相次いでいます。この状況を受け、私たちは、Google.cn の検索結果における検閲をこれ以上続けることはできないと決定しました。

Google では 23 日未明から、Google.cn における検索、ニュース検索、そして画像検索のサービスについて、検閲を停止しました。中国本土の利用者の方は、Google.cn にアクセスすると、香港のサーバーで運営しているGoogle.com.hk を経由して、簡体字で検閲のない検索結果を見ることができます。香港の利用者の方には、これまでどおり、繁体字で検閲のない検索サービスを提供していきます。この複雑な環境変化により、香港のサーバーへの負荷が高まることから、検索速度が低下したり、一部のサービスが一時的に利用できなくなる可能性があります。

私たちは、中国本土の人々を含む、世界中の多く人々に、Google のサービスを使ってもらいたいと考えています。一方、これまでの中国政府との話合いの場において、中国政府は、自己検閲は交渉の余地のない法的要件であることを明確にしており、Google.cn での検索結果の検閲を停止するという約束を遂行することは非常に難しいものでした。

Google.com.hk から、簡体字で検閲のない検索サービスを提供するという方法は、このような難しい状況下において、法的な要件を満たし、且つ、中国のユーザーがより多くの情報にアクセスできる方法として、理にかなったものであると考えています。私たちは、中国政府がこの決定を尊重してくれることを望んでいますが、同時に、Google のサービスへのアクセスがブロックされる可能性があることも考慮し、これらサービスへのアクセス状況をモニタリングすると同時に、ウェブページを作成しました。このページは毎日アップデートされ、すべての人がどのGoogle のサービスが中国国内で利用できるかを確認することができます。

Google は、これまでどおり中国国内での研究開発、営業活動を継続していきますが、営業部隊の規模は、中国本土の利用者が、Google.com.hk にどれだけアクセスできるか否かに、一部左右されるだろうと考えています。最後に、これらの決定は米国のGoogle 幹部によってなされたものであり、中国国内の従業員は、その責を負うものではないことを明確にしておきたいと思います。1 月に中国における事業展開に関する発表をした後、Google の現地従業員は、不透明な状況やさまざま困難にも関わらず、中国の利用者や顧客へのサービス提供に尽力しており、私たちはその働きを誇らしく思っています。

時刻 10:46

Google 日本語入力のベータ版をアップデートしました。

2010 年 3 月 19 日
Posted by 及川卓也 / シニアエンジニアリングマネージャー、 Google 日本語入力チーム

今、Google 日本語入力開発チームのメンバーは米国カリフォルニア州マウンテンビューにある Google 本社に来ています。名前はわからないのですが、白い大きな花が咲く木がオフィスの周りを彩っており、春の気配を強く感じます。花を楽しむ時間をあまり取れず、開発に勤しんでいるのが残念なところです。

さて、Google 日本語入力のベータ版をアップデートしましたのでお知らせします。今回のアップデートでは、開発版で提供していた機能を取り込んでいます。開発版を試していただいた皆さんのフィードバックが、今回のリリースに結びつきました。改めて、開発版をお試しいただいた方々にお礼申し上げます。

主な変更点は、以下の通りです。
Windows 版 / Mac 版共通
  • 学習アルゴリズムの改善
    変換履歴をより効果的に使うようにアルゴリズムを改善しました。「使うほどに意図しない変換が出るようになる」という問題が改善されます。
    これまでに誤って学習された履歴は使用しないように設計されていますが、念のため学習データをリセットすることをおすすめいたします。設定ダイアログの「辞書」→「学習履歴のクリア」から行えます。
  • 単語辞書の更新
    「録る(とる)」や「拘る(こだわる)」といった表外読みの単語を拡充しました。
  • 入力履歴サジェストの改善
    入力を確定後、バックスペースキーで確定した文字列を消去した場合、その文字列を入力履歴のサジェストに反映しないようにしました。誤変換がサジェストされるケースを抑制できます。
  • 辞書ツールの機能向上
    動作速度を改善し、大量の単語をストレスなく扱えるようにしました。
    ATOK とことえり用のユーザ辞書をインポートできるようにしました。
    インポートする辞書の種類とエンコーディングを自動判定するようにしました。
    MS-IME のユーザ辞書を直接インポートする機能を追加しました。
  • ローマ字テーブルの機能向上
    設定ダイアログからローマ字ルールを変更できます。
  • キー設定ツールの機能向上
    「入力キー」の設定を、文字列の入力から、キーボードからの直接入力に改善しました。
  • MS-IME モードでの「無変換」キーの動作を変更
    「無変換」を押すたびに「かんじ→カンジ(全角)→カンジ(半角)→かんじ→...」という動作をするようにしました。
  • 現在時刻の入力を追加
    「いま」を変換すると、現在時刻を入力できます。
Windows 版
  • 動作速度の向上
    OS 起動時に辞書領域を物理メモリ上に常駐させる機能を追加し、最大200%の高速化(*) を実現しました。この機能は Google 日本語入力を使用するときのディスクアクセスによる反応の悪化を防ぎます。常駐機能はデフォルトで有効になっています。設定ダイアログから常駐を解除できます。
    (* Windows XP メモリ1GBのテスト環境で、OS起動直後10文変換するのに要した時間で比較)
  • インストーラの改善
    インストール中にエラーが発生したときのメッセージが常に「インストーラに次のエラーが発生しました: 1603: インストール中に致命的なエラーが発生しました」となってしまう問題を修正しました。Windows Server 2008 以降のサーバー OS に対するインストール時のチェックを外しました。
  • かな入力での動作改善
    直接入力時に意図せずカナロック状態になってしまう問題を修正しました。

学習アルゴリズムの改善や入力履歴サジェストの改善は、Google 日本語入力をベータ版リリース後の早い時期からお使いいただいているようなユーザーの方に、特に喜んでいただける機能になっていると思います。また、Windows 版の動作速度の向上は、メモリが少ない、特に Windows XP 環境で効果を発揮するものとなっています。今まで、Windows 上での操作で、何か突っかかるような違和感を感じていた方は、違いをはっきりと感じていただけるのではないでしょうか。

すでにベータ版をお使いの場合は自動的に更新されますので、そのままお待ちください。バージョン番号は次のように更新されます。
Windows 版: 0.9.248.0 → 0.10.288.0
Mac 版: 0.9.248.1 → 0.10.288.1
今回、開発版は更新されず、以下のままになります。
Windows 版: 0.10.289.100
Mac 版: 0.10.289.101
ベータ版 (0.10.288.x)開発版 (0.10.289.10x) の機能的な違いはありませんが、今後も開発版の方が早いサイクルで更新されていきます。また、開発版がインストールされている環境にベータ版をインストールする場合、いったん開発版をアンインストールする必要があります。

私たちは日々、Google 日本語入力を皆さんに気持ちよく使っていただけるよう開発を続けています。Google ならではのアプローチ、クオリティの製品を目指していますので、是非お使いいただき、フィードバックを頂ければと思います。

今後も皆様からのフィードバックをお待ちしております。 ヘルプフォーラムをご利用ください。

時刻 11:00

Google App Engine をはじめてみよう

2010 年 3月16日
Posted by Developer Relations チーム

"Google App Engine Java の色々な機能を、実際にコーディングしながら体験してみよう" という主旨のもと、Google App Engine for Java のコードラボをこれまでに3回開催してきました。Java を使った Web アプリケーションの開発経験はあるけれども、App Engine は初めてという方向けで、毎回、即日定員に達してしまう人気コースです。

このコードラボで利用している教材は、GTUG のメンバーとGoogle のソフトウェアエンジニアたちが共同で作り上げたものです。コース設計からドキュメントの制作、コース参加者のフィードバックを反映するなど、さまざまな面でGTUGメンバーの惜しみない協力をいただきました。


そして、いよいよこのコース教材「Google App Engine Code Lab for Java」を一般に公開することになり、3月11日に開催した「DevFest 2010 Japan」で発表しました。教材は、こちらから得ることができます。現時点では日本語のみの提供となります。
(今後、教材の英語化やさらなる改良を行う予定です。)

Google App Engine Code Lab for Java は、Google App Engine の基本機能を1日で理解することを目的とした教材です。全 9 章から構成され、ブログサイトを作るという例題に対して、コーディングを通じて必要な機能を段階的に学ぶスタイルでコースは進みます。

  • Chapter 1 Eclipse Plug-in Deployment
  • Chapter 2 Write in Datastore
  • Chapter 3 Read and rewrite Datastore
  • Chapter 4 Authentication with Google Account
  • Chapter 5 Adding Tag to blog / List Property
  • Chapter 6 Comment/SMTP
  • Chapter 7 Cache
  • Chapter 8 URL fetch
  • Chapter 9 Image Manipulation


Google App Engine が提供する様々な機能をこの教材を使って学んでください。
また、中級者以上の方ならこの教材を利用して自分で講習を開くことも可能です。
さあ、トライしてみませんか?

時刻 20:44