インターネット百科事典『文車妖妃』
羽島幽平(はねじまゆうへい)は俳優兼モデル業。東京都出身。代表作に『吸血忍者カーミラ才蔵』などがある。
いくつかの雑誌モデルの経験の後、デビュー作のVシネマ『吸血忍者カーミラ才蔵』で主役のカーミラ才歳を演じる。その美麗な顔立ちと素人上がりとは思えない怪演が一部で人気を呼び、ネットなどで徐々にその名前を広めていった。
その翌年、大王テレビの看板番組『銭ゲーマー』内の企画、『100万円のお金を元に、一ヶ月でどこまで増やせるか!』という企画で、様々な手練手管を使って資金を12億円まで増やし、番組の放送前に全国ニュースとして取り上げられるというハプニングを起こした。
利益をプラスにした場合の取り分はそのまま本人の賞金になるというルールから、彼は一ヶ月で11億9900万円稼いだラッキーボーイとして世間に認知された。
単なる成金美青年という評価が一変したのは、その後に連続で出たドラマなどでの演技力だった。どのようなタイプの役でもそつなくこなし、容姿も相まって一気にスターダムにまでのし上がった。
演技のみならず歌や運動も得意であり、劇中で歌手の役から殺し屋の役、女装やベッドシーンまで手広くこなす芸達者な俳優でもある。
しかしながら、演技の時以外は全くと言っていいほどに感情を消し、ロボットのように無表情のまま淡々とした会話しかしなくなる。
その為にトーク番組などでは不向きな存在なのだが、そこがクールで良いというファンも多く、彼は自然とそうした無表情キャラクターを通している。本人曰く「子供の頃はよく泣いたり笑ったりしていましたが、感情の波が激しすぎる兄貴を反面教師にしてきた結果です。ですが、私はそんな兄を尊敬しています」と語っている。
ヤラセ無しのドッキリ企画において、ヤクザに絡まれて小指を詰めろと凄まれたシーンで、彼は全く怖がらず、さりとて反抗するわけでもなく、あっさりと包丁で自分の指を切りとばしそうになった為に、慌ててスタッフが出てきて止めたという逸話がある。
また、休日に来たストーカーからの無言電話に対し、自らも無言のまま20時間過ごし、相手にストーキング行為を止めさせたという逸話もある(無言のプレッシャーに逆に耐えきれなくなったストーカーが心を壊して自首した事から判明)。
そうした機械のような性格は人をあまり寄せ付けず、芸能界での交友関係はほどんど無い。
そのため私生活は謎に包まれており、家の内部が撮影された事もない。
愛車は複数台あるが、主に海外のスポーツカーや、光岡自動車の『ラ・セード』や『ガリュー』といった高級感のある個性的な車を好み、最近は同社のスポーツカーである『オロチ』が欲しいとテレビのインタビューで答えている。
値段の大小に関わらずに自分の感性で物を買う為に、100円ショップで買ったアクセサリーと百万円を超える高級アクセサリーを同時に身につけたりする事もあり、本人はそれに特に疑問を感じていないと言われている。
あまりにも普通に『なんでもこなす』事から、ネットでは『黒歴史編纂室長』と呼ばれている。由来は、『中学生が考えたような、成長した後で見返すと恥ずかしい黒歴史キャラぐらいにパーフェクトな設定だから』と言われている。
それを知った事務所の社長が、『ならばもっと完璧にせねば』と言って天使の羽と悪魔の角、更にカラーコンタクトでオッドアイにした状態でポスターを作成。更にマニア系の雑誌に話をつけて表紙にさせたりしたのだが、これが異常に似合っていた為により多くのファンを獲得し、何故かそのポスターは海外でも人気を博す。
ちなみにこの件に関しても全くの無表情を貫き通した彼だが、「無表情のフリして凄く怒ってるんじゃないだろうか」という噂を恐れたマックスが、二週間アメリカに帰ったという逸話もあり、彼の氷のような無表情の不気味さをよく表したエピソードだと言える。
そうして財産も名声も手に入れた後、誰もが幽平にとって黒歴史だと考えていた『吸血忍者カーミラ才蔵』の続編のオファーがあり、これをあっさり引き受けて業界を震撼させる。
とある芸能雑誌の『仕事を選ばない俳優』第三位に選ばれた際のインタビューにて本人は「カーミラ才蔵は尊敬すべきキャラクターです。彼は本当の愛を知っている素晴らしい忍者です」と、やはり全くの無表情で答え、その真意が解らず周囲を混乱させた。
ハリウッドの映画監督、ジョン・ドロックスが日本で撮影する意欲作『クルーザーフィールド』の主演を務める事も決定しており、海外でも一定の評価を得ている。