哨戒艇沈没:海軍のずさんな対応に家族ら抗議(下)

(2)行方不明者家族に銃口を向ける憲兵

 チェ中領が家族らに対して説明会を開いた後、車に乗って去っていく過程で、行方不明者の家族がけがをしたという証言も出ている。チェ中領が説明会を終えて車に乗って行こうとしたところ、激高した家族らが立ちはだかったが、車が急発進しようとしたため、ボンネットに上っていた家族の一人が転げ落ちたという。目撃者の一人は「車にひかれるかと思ったが、幸い横に落ちたため転がって助かった。ひどい話だ」と話した。

 この日午後4時45分ごろ、行方不明者の家族の一部が「行方不明になった原因と真相を究明してほしい」と司令部の出入り口に侵入しようとしたところ、小銃で武装した軍人が家族らへ銃口を向けるという事態が発生し、家族らはさらに怒りを爆発させた。一般市民の軍部隊への侵入に対する正当な行為だったという意見もあるが、行方不明者の家族に銃口を向けて威嚇するのは、過剰な対応だったという指摘も出ている。

(3)救助作業中なのに葬式の準備なんて

 海軍が行方不明者家族をいら立たせるのはこれだけではなかった。天安艦が沈没した翌日27日に開かれた国会国防委員会でイ・ギシク合同参謀本部の情報作戦処長が「告別式と葬儀の準備は海軍参謀総長が中心となって執り行う」と述べた。行方不明者家族らは「まだ生きているかもしれない同僚軍人たちを家族が待っているのに、告別式だとか葬儀の計画について話すなんて無神経すぎる」と怒りを抑えられない様子だった。

 海軍が説明会などを通じて行方不明者家族に伝えた内容は、すでにメディアに公開された内容の二番せんじにすぎず、家族らはさらにがっかりした。海軍は28日午前、平沢の第2艦隊司令部で現場救助・捜索計画などを発表したが、怒りが収まらない家族らが拒否したため、説明会を開くことすらできないまま追い返された。

29日午後、京畿道平沢の海軍第2艦隊司令部の部内に50以上のテントが張られると「行方不明者が生きているかもしれないのに、なぜ焼香所を設置するのか」と行方不明者の家族らが抗議し、テントを倒している。/写真=イ・ジュンホン客員記者

キム・サンミン記者

金時現(キム・シヒョン)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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