昼過ぎ編集局をのぞくと越後屋局長がいない。2階の喫茶室をのぞいてみると神妙な顔でリンゴをパクついている。ウス気味悪いったら、ありゃしない。毒トカゲの照り焼きでも平然と食いそうなお方がフルーツだよ。
「いや、最近はコレにしとんねん…体にいいからナ…」。若いころは赤いリンゴを片っ端からかじりたおして…いまさらリンゴに戻るなよ…本当に何を考えているかまるでわからない。ただ、広島で阪神が「今日も手応えのある試合をするやろ」とボソリといった。
旅人の 鼻まだ寒し 初ざくら…(蕪村)
そのころ、広島マツダスタジアムでは我がトラ番軍団は寒さにブルブル震えていた。小松真也はジャンパーを着込んでもまだ寒い。腹ごしらえに球場で売っている「ホルモン・スープ」(400円)のアツアツをうまそうにすすっている。編集局長がリンゴ1個。若いのがホルモン・スープ…「実は前夜も安藤理とホルモンを…」。皆様もご経験があるでしょうが、若い時はギトギトのホルモンでもなんでもござれ。それがやがてリンゴ1個という状況になるともう静かにしときゃいいのだが、まだはかない抵抗を試みる方もいるのデス。
試合前、ムツゴロウ安藤理は鳥谷選手にアタックした。平野選手との2、3番コンビネーションについて平野選手にあらかじめ取材をしておいてムツゴロウは鳥谷さんに気の利いたことを言おうとしたのだが、なにしろ初の公式戦の広島遠征。「その…つまりです。平野さんとの関係について…しっくりいってマス…」てなことをシドロモドロで口走った。すると鳥谷さんは例の大沢たかおそっくりの甘いマスクでキョトン。「キミ、何をいってるかボクにはまずキミのいってることがわからない」と、やさしくいわれてムツゴロウはますますアガッてしまって「ですから、そこはフィーリングみたいなもので…」。
鳥谷さん、ヤツは「平野−鳥谷…という“呼吸”もスムーズですね?」と聞いたつもりなんです。それがド緊張でバタバタになっちまった次第。すいません、まだピヨピヨの純情。新米のころは越後屋だってこんな状態だったのです。それが、あの声で トカゲ食うかや ホトトギス…になるのであります。
「投手陣が心配です。野村監督はやりくり算段でどうしのぐか…」といっていた赤ヘル番山田結軌の心配はすぐ的中してしまった。青木が不調なのじゃない。マートンから打つワ打つわ…。鳥谷から桜井まで“Wクリーンアップ”はギトギトのホルモンです。
五回で6−3。当番デスク席で食いすぎの古畑任三郎ソックリの清水泰史があえて仏頂面をしている。「あんた先祖の遺言で『笑うな』といわれてるのかい?」といったら、古畑が小さな声でいったネ。「実は勝尾寺(勝ち運の寺)のお札をさがしたら、どっかにいってしまって仕方がないからお伊勢さんの札をもってきた。お伊勢さんって何に効くんだろう…」といい加減だよ。それでもどやさ!! ホルモン打線がドカンドカンと満開だ。