セカンドライフ事業縮小のお知らせ
日頃より MagSL のセカンドライフサービスをご利用いただきましてまことにありがとうございます。
本日は大切なお知らせがございます。
株式会社マグスルは、平成22年4月1日より、セカンドライフ事業を大幅に縮小いたします。弊社に期待して応援してくださった多くのお客様、セカンドライフユーザーの皆様のご期待に添えない結果になりましたことをここに深くお詫びし、今後についてご説明させていただきます。
セカンドライフを利用するユーザーは約3年前のブーム時と比較すれば減ったものの、いまだ多くのユーザがおり、日本人だけでも2-3万人が利用しているものと思われます。これはユーザー数としては少ないと感じられますが、一般的なオンラインゲームタイトルとしては十分な数です。しかしながら企業利用はほとんどなく、B to C と B to B を両輪として運営してきた弊社としては収益が確保できない状況となっております。
世の中ではアバターの上映による効果もあって3D時代に突入しようとしているタイミングであり、今後を期待することも十分考えられましたので弊社も経営努力を行ってまいりましたが、力及ばず、セカンドライフ事業の継続を断念するに至りました。詳しい事由につきましては、添付の文章をお読みいただければと思います。
平成22年4月1日より、セカンドライフ内の待機スタッフを廃止し、GIM によるリアルタイムサポートを停止いたします。今後のお問い合わせにつきましては、ホームページのお問い合わせページよりメールにてお問い合わせいただくか、Neko Link まで Notecard もしくは IM にてご連絡いただけますようお願いいたします。
平成22年4月30日を持ちまして、Meguro SIM および Tamachi SIM、Tokio SIM、 Yurakucho SIM、Sugamo SIMを閉鎖いたします。該当 SIM をご契約いただいているお客様は、他の SIM への移転をご希望の場合、1ヶ月の無償延長の上でお引越しいただけます。もしくは、解約をご希望のお客様は解約日時点ですでにお支払いいただいている残金をリンデンドルにて返金させていただきます。
その他の SIM につきましては、目安として区画稼働率が 60% を下回った時点で1ヶ月前の予告の上、同様に閉鎖いたします。
Mirai SIM、Halca SIM、Shinjuku SIM につきましては当面継続の予定です。
Full Region および Homestead のレンタルをご利用のお客様におきましては、レンタル期間中の途中閉鎖はございませんので、引き続きご利用いただけます。
また、これらに伴い、弊社は多くのSIMを解約いたしますので、中古SIMの購入をご希望のお客様は info@magsl.net までアバター名を添えてお問い合わせください。すでに利用していないSIMについては Full Region 500US$、Homestead 250US$ にてお譲りいたします。ただしリンデンラボの規定により、Full Region をお持ちでない方は Homestead のみを所有することはできませんので、あらかじめご了承ください。
リンデンドル販売につきましては、従来通り継続いたしますので、引き続きご利用ください。MagSL 直営 SIM が減少することにより、アフェリエイト ATM の利用度が上がることが予想されます。アフェリエイトATM の設置をご希望のお客様は、Mirai SIM カフェ脇にて配布いたしますのでご自由にお持ちください。
リンデンドルから楽天スーパーポイントへの交換サービスにつきましては、平成22年3月25日をもちまして終了とさせていただいております。
http://magsl.net は http://sl.magsl.net へと内容を一新しております。こちらは引き続き運営していきます。
また、もし弊社が提供しているサービスを引き継いで運営されたいというユーザー様・企業様がいらっしゃいましたら、SIM単位、サービス単位でもかまいませんのでご相談ください。例えば Akiba SIM の運営を引き継ぎたい、リンデンドル販売事業を買い取りたいなど例外なくご相談させていただきます。ただし、ご利用のユーザー様にご迷惑がかからないような条件が合意できた場合に限ることをご了承ください。こちらに関しましてもホームページの問い合わせよりご連絡ください。
また一部の方には依然勘違いがございますので、念のため書き添えておきますが、セカンドライフ自体は米国のリンデンラボ社が運営するものであり、株式会社マグスルが運営しているわけでも、日本でのライセンスを保有しているわけでもございませんので、今後もセカンドライフ自体は変化無く運営されていくことをご承知おきください。
その他、ご不明な点、ご要望、ご不満等がございましたら、従来のマグスルスタッフではなく、ホームページのお問い合わせか、Neko Link まで直接ノートカードまたは IM にてご連絡くださいますようお願いいたします。
株式会社マグスルは、企業存続に関して問題があるわけではございません。その点におきましてはご安心ください。今後もセカンドライフにこだわることなくインターネットコンサルティング事業を継続し、またいずれ取り組むべき仮想世界プラットフォームと出会うことがあれば挑戦したいと考えております。
この度はご利用いただいているみなさまに大変ご迷惑をおかけいたしますことを重ねてお詫びいたします。
株式会社マグスル 代表取締役社長 新谷卓也 ( Neko Link )
以下は、私個人の思いをつづったものであり、蛇足ですが、ご興味がありましたらご一読いただければ幸いです。
マグスルは平成18年11月より株式会社ジップサービスの事業部として始まりました。当時、セカンドライフに大きな将来性を感じ、来る3Dインターネット時代への橋渡しとなるであろうと考えて取り組みました。その年の年末、セカンドライフが日経新聞の1面に大きく取り上げられたことにより、アメリカに続き日本でもセカンドライフブームとなりました。その後、株式会社ジップサービスより事業を移管することで平成19年6月に株式会社マグスルは誕生いたしました。
当時はまだ、一般の方々が3Dグラフィックを処理できるパソコンをもっているケースは非常に少なく、セカンドライフをプレイしようと考えてもなかなか難しい状況でした。にもかかわらず多くのマスメディアがセカンドライフを特集し、見たことのないセカンドライフを想像することによって記事が企画され、先入観を元に取材され、それを元にお金が儲かる次世代インターネットとして歪められた情報となって世に広まりました。
私も多くの取材を受けましたが、こちらが一通りの正しい情報を伝えても、それが番組や記事になるときには、取材の内容からお金が儲かる部分だけが抜粋されていました。たしかにセカンドライフの中にはいろいろなビジネスのチャンスがありました。同時にビジネスとは無関係のもっと楽しい部分もたくさんありました。
テレビや雑誌の記事を見られた多くの方々が、しかも100万人をゆうに超える人々が、セカンドライフにビジネスチャンスを求めて参加されました。しかし、おそらく9割の方がパソコンが3Dに対応していなかったためにログインすら出来なかったと思います。それほどセカンドライフブームは当時には早すぎるものでした。
私たち、ブーム以前のセカンドライフ企業は5年先の時代を見据えていました。販売されるすべてのパソコンが3Dグラフィックに対応し、ゲームや携帯電話、映画が3Dになる時代です。そのときセカンドライフのようなサービスは当たり前のものとして利用されるであろうと考えていました。また、多くの同様のサービスのなかで、セカンドライフは恐ろしく秀でていました。
単なるアバターチャットサービスとは異なり、非常に自由度が高く、3Dオブジェクトの作成ツールを備え、UGC(ユーザジェネレイテッドコンテンツ)のプラットフォームであり、巨大なクラウドサービスであり、全世界のユーザ同士で利用できる手数料なしのマイクロ決済機能をもち、誰もがコンテンツビジネスに参加することができました。有料の土地(サーバ)を契約することで、インターネット上にサーバをもったときと同様にサービスを提供したり、ものを販売したり、趣味の空間を作ったりすることができました。そしてそれをアバターを通してリアルタイムに会話しながら共有することができました。
セカンドライフにログインできた10万人ほどの日本人は、上記のような本当のセカンドライフを楽しむことが出来たと思います。そしてこれからも楽しむことが出来ると思います。多くの友達と毎晩チャットやボイスチャットを楽しみ、共同でいろいろな物をつくったり、スクリプトでそれを自由に動かしたり、イベントを楽しんだり、教室で先生から新しいことを学んだり、ライブハウスで生歌を聴きながら騒いだり。ブラウザの上ではまったくできない、新しいインターネットがセカンドライフの上にはあり、誰もが自分のアイデア次第で新しいことを発明することができ、世界中の人と楽しみを共有できます。
しかしながら、多くの日本人はそれを知りません。忙しい人は、セカンドライフをそこまで知るほどプレイしません。セカンドライフの奥の深さは他社を突き放すすばらしい点でもあり、同時に理解しがたいという弱点でもあります。その結果、残念ながら世の中は理解せぬまま批判的な見方をする人が多数となってしまいました。インターネットにはセカンドライフはもう終わったという記事があふれています。それを書いた人はろくにセカンドライフを見てもいないのに。
今後のセカンドライフは、世界レベルではブラジルの好景気に押され、個人ユーザはまだまだ増えていくことと思われます。また、日本でも徐々にその楽しさが知られ、ユーザーを獲得してゆくと思います。仮想アイテム市場はセカンドライフに限らず、世界的に盛り上がっていくことは疑いなく、今後も発展するでしょう。セカンドライフを運営するリンデンラボはすでに黒字化しており、多くのインターネットサービスのように存亡の危機にあるわけでもなく、皆様が利用する限り続くと思われます。
私がセカンドライフからの撤退を決心したのは、SLの発展を疑うからではありません。私とリンデンラボの方針の齟齬が埋められなくなったためです。当初、セカンドライフはオープンソースを標榜し、我々ユーザーの権利を守り、コミュニティとのエコシステムを構築してゆくことを方針としていました。そして私たちビジネスユーザーはその方針のもとでセカンドライフの支援を始めました。しかし、今はすでにリンデンラボに創設者たちは居らず、方針は大きく変わりつつあります。マグスルのビジネスはいまや日本の同業他社ではなく、運営元であるリンデンラボ自体と競合しており、日に日に協力しあうことが難しくなっています。
これはマグスルにとっては残念なことですが、セカンドライフ全体にとっては、より安全で管理された世界をつくる上で必要な変化なのかもしれません。答えは今すぐにはでませんが、現在の状況から考えるとマグスルのような事業形態では長期的に取り組むプラットフォームではないと判断した次第です。
今回、MagSL はゆるやかながらも撤退という道を選びますが、引き続きセカンドライフの行く末をみながら Neko Link 個人はセカンドライフを1ユーザとして楽しむつもりです。
セカンドライフユーザーの今後のご活躍とご発展をお祈りいたします。
MagSL Inc. Neko Link
まあ普段の行いの代償でしょうね、淘汰淘汰
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