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へぇ?、法なの?知らなかった! 2003年12月16日 更新
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出会い系サイト利用料名目での架空請求問題は、初めて確認されてからずいぶん時間がたっているにもかかわらず、いまだに収まる気配がありません。それどころか、手口もどんどん巧妙になっていっています。
最近では、「あなた様が使用された電話回線から接続されたアダルトサイト利用料金について、運営業者より未納利用料金に関する債権譲渡を受けましたので、私どもが未納利用料金の回収作業を代行させていただく事になりました」とか、「○○債権回収株式会社です。平成11年よりサービサー法が成立し、民間企業でも債権の回収業務ができるようになりました。あなた様が利用されたアダルトサイト利用料金につき、運営業者から回収の依頼を受けましたので…」といった内容で支払いを迫る内容が多いようです。
しかし、上記のいずれの場合についても、支払いに応じる必要はありません。これは、仮にあなたがアダルトサイトを利用しており、利用料金が発生していた場合であっても同様です。
まず、債権譲渡がなされた場合には、元の債権者(譲渡人)から債務者に対して譲渡があったことを通知しなければ、債権の譲受人は債権譲渡があったことを債務者に対して主張できないとされています(民法467条1項)。
したがって、譲渡通知もないままに請求をしてきた業者に対しては、支払いの義務はありません。しつこく迫ってきた場合には、「譲渡人から債権譲渡通知を受け取っていませんから、あなたに支払う義務はありません」と主張すればよいでしょう。
次に、債権管理回収業に関する特別措置法(サービサー法)に基づく民間企業による債権管理回収についてですが、第一に、債権管理回収業を行うことができるのは、法務大臣によって許可された株式会社に限定され、「債権回収会社」の名称は、許可された会社しか使用することができません(許可を受けていない会社が使用した場合、100万円以下の罰金です)。許可された会社の一覧は、法務省のホームページから確認できます。
また、債権管理回収業の営業を許可された会社であっても、回収できる債権はサービサー法に規定された、金融機関等が保有する貸付債権などに限定されており、出会い系サイトやアダルトサイトの利用料金は、これに含まれません。
以上から、法務大臣の許可を受けた債権管理回収業者が出会い系サイトの利用料金を請求してくることもありません。つまり、債権管理回収業を名乗って請求してくる場合、その会社そのものが存在しないか、存在したとしても会社の名前をかたっているにすぎないということになります。いずれにしても、請求を拒むことができるというわけです。
一度支払うと、相手は次も支払ってくれるはずと何度も請求してきます。架空請求のメールが届いたときには、無視するのが一番。思い当たる節がある場合でも、利用明細を要求するなどして、不用意に支払わないようにすることが大事です。以下のページも参考にしてください。
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