2010年3月31日
最近、各地の土産店に突然多くの人が訪れ、数万円分も買い物をしていく現象が起きている。携帯電話ゲームの一種「位置ゲー」の利用者たちだ。お目当ては品物を買うともらえるカード。ゲームと提携した店は売り上げが右肩上がりだ。仮想から現実の社会に進出する携帯ゲーム。旅行会社は土産店を巡るツアーまで企画した。
「これが欲しかったんですよね」。三陸沿岸の岩手県陸前高田市。創業203年の老舗(しにせ)しょうゆ店「八木澤商店」で13日、神奈川県座間市の主婦平井ちとせさん(39)は、しょうゆやポン酢など約1万円分を買い、「コロカ」というカードを受け取った。
この日のツアーに参加したのは、携帯電話の全地球測位システム(GPS)機能を使ったゲーム「コロニーな生活☆PLUS(プラス)」(通称コロプラ)の利用者29人。2月にコロプラ社(本社・東京)と提携を始めた八木澤商店8代目の河野和義社長(65)は、「若い人がこんなに来たのは創業以来初めてでしょう」。
ツアーは、コロプラ人気に目をつけた旅行会社JTBが今回初めて企画した。岩手県内の約600キロを巡り、県内の提携店に行く。1泊2日、東京駅発で3万9800円(2人1室)。北海道、愛知県、京都府からの参加者もいた。
狙いは国内旅行者の掘り起こしだ。「きっかけはゲームでいい。地域の良さに触れ、旅行の楽しさに目覚めてほしい」(JTB担当者)
提携店には個人で訪れる人もいる。玄界灘に浮かぶ加部島(佐賀県唐津市)にある「甘夏かあちゃん」の看板商品は甘夏ゼリーだ。3月に提携し、最初の週末は普段の2倍のゼリーを作った。群馬県や千葉県からも来客があり、完売。山口めぐみ代表(55)は「半信半疑だったけど、ここまでとは」。
現在、提携しているのは全国で44店。提携希望は年明け以降、1日平均で約10社あるというが、選定基準は「旅費をかけてまで買う価値のある日本の良い物」に限っている。
提携店は対象商品の売り上げの一部をコロプラに支払う仕組みだが、それ以外に費用はかからない。瀬戸内海産イワシのアンチョビを生産する山一(松山市)の担当者は「宣伝費がなくても商品をPRできる。売れなかったとしても業務に支障はない」と話している。
コロプラは、現実の移動距離に応じて得られる仮想通貨(1キロ=1プラ)を使い、携帯電話の中で自分の街を発展させていくゲーム。土地を広げ(1マス=80プラ)、酸素、水、食料などの生産設備を置き(各15プラ)、人口が増えるのを待つ。会費は無料。利用者は98万人。20〜40代の利用者が8割を占める。
利用者が提携店で品物を買うと「コロカ」がもらえ、そこに書かれた英数字を携帯電話で入力すると、ゲーム内でも同じ品物が希少な「仮想お土産」として手に入る。ほかの利用者に高額のプラで売り、それを元手にさらに街を大きくして楽しむ。
コロプラの馬場功淳(なるあつ)社長(32)は若い頃、福岡県飯塚市や宮崎県都城市など地方都市に住んだ経験がある。「10年、20年先を考えたら、地方に人が住めないと日本はダメになる。ゲームで少しでも地域活性化に貢献し、日本を元気にしたい」と話す。(篠健一郎)
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