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Verba volant, scripta manent.



たしかに閉じられた本というのは墓石にも似た、ただの”物”です。生きてはいないし、書かれてある文字も、それが物質的に保たれるかぎり何千年経っても変化しません。しかし、人がそれを開き、書かれた言葉を読むとき、その言葉は生きかえります。それは読む人間が生きていて。日々移ろい変わっているからです。

まったく同じ文章を読んでもその時そのときで感じ方がちがうのは、「あなた」が生きているからです。生きているというのは変化しているということに他なりません。その言葉が伝わるかどうか、言葉が「飛んで」こちら側にやってくるかどうか、それは生きている「あなた」自身の問題でもあるわけです。

日記を書くときのあなたと、後でそれを読むときのあなたはちがっているはずです。書かれたものは変わらない、しかしそれを書いたその瞬間からあなたはどんどん変化しているのですから、あなた自身が書いたものが何かピンとこないということも当然ありえます。