Returne to Description page2
Verba volant, scripta manent.



このラテン語の格言は「(話し)言葉は飛び、書かれた文字はとどまる」、つまり”考え”は話すだけではなく、書いて残すべきだ」という意味にとられがちですが、じつはこの格言が生まれた時代、ソクラテスやプラトンの時代には「対話」こそが大切で、書かれた言葉よりも話された言葉のほうが生きいきとした意味を伝える生命をもった言葉だと思われていました。

飛ぶという言葉が使われているのも、たんに消えさるという意味ではなく、翼(意志・魂)を持ったものであるという表現で、「飛ぶ」を「飛び去る」にするかどうかは、この格言の意味をどうとらえるかによって違うわけです。一方、書き言葉は生命を持たない、話し言葉の影であり、そこにとどまる(=飛ばない)という意味になるわけです。

しかし2000年以上前に生きていたソクラテスの考えをわたしたちが知ることができるのは、彼の弟子たちが「書き言葉」として残したからで、やはり自分自身で「書き言葉」を残さなかったキリストやブッダにも同じことがいえます。