依頼して作っていただいたものなので正式な「ルーラン氏の作品」ではありません。
天使の羽というよりは妖精の羽のように見えますが、
じつは、「飛行機の翼」がモチーフになっています。 「なぜ天使には羽があるのか、考えてほしい」というルーラン氏の意向からです。
「なぜ天使には羽があるのか。」
「人間は、数々の歳月に投げ込まれた巨人のように、そのあいだにこのように多くの日々が位 置を占めるようになり、これほど遠く隔たった数々の時代を生き、それらに同時に触れているのだから。
時のなかで。」
マルセル・プルースト 『失われた時を求めて』
「日記帳の中の天使」の実像は「どこかに存在する本物の『天使の日記帳』の鍵を持つ天使」
というコンセプトにもとづき
ベルギーの彫刻家、
フェリックス・ルーラン氏
に制作していただいたオリジナルです。
製作中の天使像。
石膏像の段階(ルーラン氏のアトリエ/2001)
この後、右図のような行程を経てブロンズ像に。
一方、3Dスキャニングされ、データとなった天使像は、まず立方体としての日記帳に納まるサイズ(左右の翼の先から先までが52mm)に縮小され、
さらに536(1,072ページ÷2=紙の枚数)の断片に。
★製本技術の限界に関するお詫びとお断り
信頼できる製本所さんにお願いして、細心の注意は払ってもらってありますが、紙を折り、それらを束ねて糸で綴るなどの作業の段階で、各ペ−ジの印刷面 にどうしてもズレが生じてしまうので、残念ながらこの「日記帳の天使像」は完ぺきな立体像にはなっていないと思われます。(上製本特有の「丸背」 のためにできるカーブはもともと考慮してありません。これは使い込んでいくうちに平らに近くなっていくためです。)
見ることができないのでこれも推測ということになりますが、あくまでも「模型(モデル)」だということでどうかご了承ください。
なお、本物の日記帳は第6次元方面に存在するものと思われます。
そのページがめくられる音にみみをすましてみてください。