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ビッグバン:「1兆分の1秒後の数百兆度」再現

LHCの陽子ビームが通る配管=スイス・ジュネーブ郊外のCERNで2007年3月、西川拓撮影
LHCの陽子ビームが通る配管=スイス・ジュネーブ郊外のCERNで2007年3月、西川拓撮影

 欧州合同原子核研究所(CERN)は30日、スイスとフランスにまたがる大型粒子加速器「LHC」で宇宙誕生(ビッグバン)から1兆分の1秒後の数百兆度の状態を再現した。陽子同士を衝突させ、7兆電子ボルトという世界最高エネルギーを出すことで達成した。衝突後に生じた粒子を検出することで、質量の起源とされる「ヒッグス粒子」などノーベル賞級の発見につながるという。

 LHCは地下に埋設された1周約27キロの円形トンネル内で、陽子を光速近くまで加速して衝突させる装置。運転開始直後の08年9月に事故で中断したが昨年11月に再開した。これまでの記録は昨年12月に達成した2.36兆電子ボルトで、来日中のロルフ・ホイヤー所長は東京大で会見し、「興奮し、ほっとし、幸せだ」と語った。

 実験には日本も参加している。米映画「天使と悪魔」で物質と反対の電気を持つ「反物質」を作り出す施設として登場し話題になった。【須田桃子】

毎日新聞 2010年3月30日 21時12分(最終更新 3月30日 21時30分)

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