広島県出資第三セクター「広島エアポートビレッジ開発」(HAV)の民事再生計画案が債権者集会で否決された事態を受け、湯崎英彦知事は30日の記者会見で、HAVが経営するゴルフ場を民間に売却する選択について「可能性として十分にあり得る」との認識を示した。修正を進めている再生計画案の弁済率を引き上げることが目的。売却の場合、HAVは清算が濃厚となる。
否決された現行計画案は、所有するホテルの売却収入(10億4千万円)と、ゴルフ場の今後10年間の収益(3億1千万円)など計14億2100万円を原資に、ゴルフ場会員と県に一律、債権の27・58%を弁済する内容。
5月21日に再度開かれる債権者集会に諮られる修正案は、弁済率の扱いが焦点。民事再生の原則から県と会員間の弁済率に差をつけることは困難な一方、県はさらなる公金の投入に当たる債権放棄の増額はしない意向だ。
弁済率を上げるには、HAVによるゴルフ場営業を断念し、ゴルフ場を売却して弁済原資を増やすことも想定される。湯崎知事は会見で「良い値段で買ってもらえるのであれば」と述べ、売却の可能性に言及。ゴルフ場の想定収益3億1千万円以上であれば売却も選択肢とした。
【写真説明】HAVの再生計画案の否決をめぐって審議した広島県議会総務委員会
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