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小泉被告に反省の色なし

 元厚生次官ら連続殺傷事件で、殺人や殺人未遂などの罪に問われた無職小泉毅被告(48)の判決公判が30日、さいたま地裁で開かれ、伝田喜久裁判長は求刑通り死刑を言い渡した。「殺したのはマモノ」と無罪を主張し、共同通信社などに「無罪以外は即控訴する」と手紙を送っていた小泉被告は判決を不服とし同日午後、予告通りに控訴した。

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 「被告人を死刑に処する」。丸刈りに上下黒のダウンジャケットとジャージー姿の小泉被告は終始無言で、証言台から裁判長をじっと見据えて判決に耳を傾けた。主文が言い渡され閉廷すると、納得のいかない表情を浮かべ法廷を後にした。

 公判で小泉被告は、被害者を「動物の命を奪っても罪悪感を感じない、心の中が邪悪なマモノ」と決めつけ「マモノを皆殺しにする決起は未完成。生まれ変わってもまたやる」などと発言。被害者や遺族の感情を逆なでし続けた。

 ところが、飼い犬の話になると強気な態度は一変。昨年12月の被告人質問で、愛犬のチロが殺処分されたことを聞かれると「あれは…チロちゃんが…」と、言葉に詰まり涙をこぼした。一方で「被害者や家族がかわいそうだとは思わなかったのか」との弁護人の問いには「あだ討ちとはそういうもの」とうそぶき、反省の色はなし。最後まで「あだ討ち」以上の背景や事情を語ることはなかった。

 弁護側との意見も最後までかみ合わず、主任弁護人の村木一郎弁護士は「人間関係をつくろうと努力したが…」と無念さをにじませた。






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