移送車の中、うつむく赤坂晃=千葉地裁(撮影・田村亮介)
覚せい剤取締法違反(使用)の罪に問われた元光GENJIのメンバー・赤坂晃被告(36)の判決公判が30日、千葉地裁で開かれ、懲役1年6月(求刑懲役2年)の実刑判決が言い渡された。裁判官は「一世を風靡(ふうび)したアイドルグループの元メンバーに、実刑判決を言い渡すのは残念」と嘆きの言葉。傍聴したファンは号泣し嗚咽(おえつ)を漏らした。
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光GENJIの解散から約15年。国民的人気アイドルグループからの転落劇に、異例の説諭が施された。新井紅亜礼(くあら)裁判官が「一世を風靡(ふうび)したアイドルグループの元メンバーに、実刑判決を言い渡すのは残念。出所後、取り巻く状況が厳しくても、地道にマジメに努力し更生してほしい」と諭すと、げっそりとやつれた元アイドルは小さくうなずいた。
赤坂被告は07年11月、覚せい剤所持の罪で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けている。今回の刑が確定すれば、前回の執行猶予が取り消され、“初犯”とあわせて懲役3年の刑に服するとみられる。
執行猶予期間中の再犯だけに、覚悟を決めての入廷だった。黒のスーツに白いシャツ、ノーネクタイ。法廷には、“塀の中の暮らし”に備えての荷物が詰め込まれたと見られる、大きなスポーツバッグが持ち込まれた。
証言台に立って氏名を確認されると、「ハイ」と弱々しく返事。懲役1年6月の実刑が言い渡されても、動揺した様子はなかった。新井裁判官が「覚せい剤への抵抗感が感じられない。親和性は顕著で、刑事責任は重い」と判決理由を述べる間も、視線を落としてじっと聞き入った。
判決によると、赤坂被告は昨年12月28日、東京・新宿のホテルで、覚せい剤を加熱し、気化させて吸引した。