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【大リーグ】松井とアントニオ猪木氏 緊急合体 闘魂を注入される2010年3月31日 紙面から
【テンピ(米アリゾナ州)社英夫】今度は赤ゴジラと燃える闘魂の緊急合体だ!! エンゼルスの松井秀喜外野手(35)が29日(日本時間30日)、ロイヤルズ戦に4番指名打者(DH)で出場し、2打数無安打1打点だった。この日は、ディアブロスタジアムに元プロレスラーのアントニオ猪木氏(67)が電撃訪問。猪木氏からの“気合のビンタ”こそ回避したが、闘魂を注入された背番号「55」が、新天地で存分に暴れ回る。 思わず圧倒された。途中交代した松井は、ディアブロスタジアムのスイートルームに直行。そこに待っていたのが、アントニオ猪木氏だ。「元気ですかぁ!!」。初対面するなり、十八番のフレーズで迎えられる。松井にとって少年時代にプロレス中継をテレビ観戦したあこがれの存在だ。猪木氏は世界最大のプロレス団体WWEの殿堂入り式典のためアリゾナに滞在中。キャンプ地から近いこともあり松井が対面を熱望したことで、猪木氏が激励に駆けつけた。 「ボクは常に気合が入っている」。松井は猪木氏が繰り出すはずの“気合のビンタ”は回避したものの、約20分間に及んだ初対面を堪能。報道陣の前に姿を見せると少年のように目を輝かせて口を開いた。 「独特のオーラというか、体も大きいですが、何かそういうものを感じますね。真っすぐな方。そういう印象がありました」。この日のロイヤルズ戦は2打数無安打1打点。犠飛の1本に終わったが、グラウンド外では貴重な収穫を得た。昨年12月にエ軍の移籍が決まった際の入団会見。チームカラーの赤の印象を聞かれ「アントニオ猪木かな」と即答し、猪木氏が入場時に首に巻いていた真っ赤なタオルを頭で描いていた。ともに自宅があるニューヨークで偶然に遭遇したことはあったが実際に言葉を交わしたのは初めて。猪木氏から直接、闘魂を注入され、これ以上ない充実した時間を過ごした。 「パワーを頂いたかもしれない」。同級生の金メダリスト室伏、巨人時代に苦楽を共にした清原氏、そして闘魂を注入してくれたアントニオ猪木氏…。次々と激励に訪れてくれた人たちのためにも、松井が結果の二文字で恩返ししていく。 ◆Vなら特大ビンタ優勝したら特大の“気合のビンタ”だ。猪木氏がエンゼルスがリーグ優勝した場合、松井に気合の一発をお見舞いすることを宣言した。「今はリラックスされてる。優勝したら、特大のいいやつを(するよ)」。心待ちにしていた松井との初対面では、自らの詩である『道』を直筆で贈呈。松井からはエンゼルスの真っ赤なジャンパーを贈られた。 報道陣から松井にエールを…と振られるとさすがは猪木氏だ。「念を送るというか、松井選手が大活躍できますように。行くぞ! 1、2、3、ダァー」と出血大サービス。その千両役者ぶりを発揮していた。
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