判決後に晴れやかな表情で記者会見した三井マリ子さん=大阪市北区、阪本写す
大阪府豊中市の男女共同参画推進施設の館長職を不当に打ち切られたとして、初代館長で女性政策研究家の三井マリ子さん(61)が、市と運営財団に慰謝料など約1200万円をもとめた損害賠償訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であり、三井さんの請求を退けた一審・大阪地裁判決を変更し、市側に150万円の支払いを命じた。
塩月秀平裁判長は、雇用の打ち切りは「裁量の範囲内」として違法性を認めなかったが、市側が三井さんに批判的な勢力の圧力に屈して動いたことは認め、その行為は「三井さんの人格を侮辱し、人格権を侵害した」と認定した。
高裁判決によると、三井さんは2000年9月、男女平等の問題を考える市民講座を企画したり講演会会場となったりする施設「すてっぷ」の非常勤館長に就任。04年3月で継続を打ち切られた。
判決は、その間に三井さんへの「陰湿、執拗(しつよう)で組織的な攻撃」があったと指摘。市政に影響力を持っていた当時の市議1人が「すてっぷ」の蔵書廃棄を議会で求め、複数の市民が市に嫌がらせ電話をかけるなどしたと述べた。
そのうえで、市幹部や財団幹部が三井さんに相談もなく後任選びを進め、後任候補には三井さんに続投の意思がないと勝手に告げていたなどと指摘。こうした行為は一部の勢力の動きに屈したものと認定し、「三井さんは生活に重要な意味を持つ雇用継続の情報から一切排除された」として賠償を認めた。