出羽海部屋所属の幕下行司、木村林之助こと小林亮太容疑者(32)=千葉県印西市=が29日、自分の長男(3)の背中をけり軽いけがを負わせたとして、傷害の疑いで千葉県警印西署に逮捕された。日本相撲協会をめぐっては、元若麒麟の鈴川真一氏が昨年1月に大麻取締法違反(所持)で逮捕された。また逮捕者が出たことに、協会に衝撃が走った。
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逮捕容疑は2月27日午後5時45分ごろ、自宅で長男が小林容疑者の靴下をなくしたことに腹を立てて背中をけり、軽傷を負わせた疑い。
印西署によると、妻(32)が昨年4月に「夫が子どもに暴力をふるう」と同署に相談しており、小林容疑者が家族を日常的に暴行していたとみて調べている。
この日の朝、同容疑者は大阪・堺市内の出羽海部屋宿舎で逮捕された。師匠の出羽海親方(元関脇・鷲羽山)は東京・両国国技館で取材に応じ「残念です。協会としても、私としても」と表情を曇らせた。以前に家庭内暴力(DV)の噂を聞いたことがあるといい「『ちゃんとやっているのか』と聞いたことはある」と振り返った。
ただ、同容疑者は地方場所以外は部屋を離れて生活しているため、師匠がDVを把握することは難しい。警察の捜査が続いていることも考え、師匠は「この時点で辞めさせるとも、続けさせるとも言えない」と処分について明言を避けた。
小林容疑者は館内放送を担当している。行司の同僚によると、仕事熱心で性格はまじめ。面倒見がよく、後輩に暴力を振るうようなことはなかったという。武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「広報部に聞いて下さい」と詳細を語らなかった。大麻所持とDVを同列には扱えないとはいえ、協会には詳細を把握し、明らかにする責任がある。
(2010年3月29日)