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武器輸出三原則、運用を緩和 北沢俊美防衛相
日米欧で共同開発も

2010/3/30付
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 北沢俊美防衛相は29日、日本経済新聞のインタビューで、武器輸出三原則の運用を見直し、米国以外の国とも武器・武器技術の共同開発を可能にすべきだとの意向を表明した。

 【米軍普天間基地移設問題

 ――沖縄の負担軽減と米軍の抑止力の観点から米国、沖縄との交渉をどう進めるか。

 キャンプ・シュワブ沖合に移設する現行案は沖縄県民の反発を招いており、変更せざるを得ない。普天間の空中給油機は岩国基地、緊急時の滑走路は新田原、築城両基地を活用することが(日米が2006年に合意した在日米軍再編の)ロードマップで固定化している。問題は定数60機、実数は半数ぐらいの普天間のヘリコプターをどこへ持って行くかだ。部分的に一体運用を排除できるかは米側と交渉の余地があるし、沖縄を中心とした周辺地域ならば可能性があるのではないか。あまり遠くだと、抑止力が低下する懸念がある。

 ――政府は普天間の機能の5割超を県外に移す方針だ。

 騒音などを含め、県民が「現状より半分以上は沖縄から負担が減ったな」と思ってもらえるような案にすべきだ。

 ――米側は機能分散に難色を示している。

 沖縄の政治状況が変わったから変更せざるを得ない。米国と沖縄の許容範囲の中で合意点を見つける協議に入る。

 ――交渉が5月をまたぐ場合、普天間は継続使用するのか。

 移設先が整備されるまでは普天間は使用される。前政権の合意でも14年まではそうなっている。その間も訓練移転などできるところから進めるのが大事だ。継続使用を前提に考えたら沖縄の皆さんが全く同意してくれない。解決したときには継続使用はないが、解決するまでは、代替施設が完成しないから仕方がない。鳩山政権で14年までに収まるかどうかは、代替案の中身によるだろう。

 【武器輸出三原則

 ――首相が武器輸出三原則の堅持を唱えるなか、防衛産業をどう活性化するか。

 三原則を内閣としてきちっと守ることに変化はないが、運用面で何とかならないかと考えている。三原則で身動きが取れない状況は検討すべきだ。米国も一国だけで(装備品を)全部開発して売るという話ではなく、英国もフランスも日本も(共同開発に)来てください、と。この中で、組み立てはどこの国でやる、というような状況になってきている。米国が西側諸国全部をカバーするのは防衛政策上も、武器調達の世界でも少しずつ変化しているのではないか。

 といって日本が武器を生産・販売して利益を得るのは、平和国家としてあるべき姿ではない。例えば救難飛行艇「US―2」は海難救助に役立ち、民間の受注はかなりあるだろう。生産・技術基盤の劣化は何としても食い止めなければいけない。陸海空の分野ごとに産業界から率直な意見を聞きたい。

 【島しょ防衛

 ――与那国島への陸上自衛隊部隊配置について。

 事務方に検討を指示した。新たな防衛大綱策定に向けた有識者懇談会の議論が重要な要素になるが、中国やロシアの動きへの抑えとして自衛隊が島しょ部についてもこんな形を取り始めたというメッセージは安全保障上、有効だ。鳩山内閣全体で真剣に考えるべきだ。

 ▼武器輸出三原則 武器と武器技術の輸出を禁じる政府方針。1967年に佐藤栄作首相(当時)が国会答弁で(1)共産圏諸国(2)国連決議で武器輸出が禁止されている国(3)国際紛争当事国かその恐れのある国――に対する輸出禁止を表明。76年には三木武夫首相(当時)が三原則の対象地域以外も「輸出を慎む」とし、事実上の「全面輸出禁止」が政府の見解となった。その後、中曽根内閣が米国向けの武器技術供与を例外とし、小泉内閣はミサイル防衛システムの共同開発・生産を対象外とした。

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