哨戒艦沈没:海軍の危機管理能力に疑問の声(上)

隔室機能は作動していなかったのか?

しっかりと閉じられてさえいれば浮力は確保

海軍「閉じるだけの余裕もなかった」

専門家「突発事態への対応に大きな問題」

 韓国海軍の哨戒艦「天安」の沈没をきっかけに、「海軍の危機管理能力に問題があった」という指摘が相次いでいる。海軍は「突然の爆発で船が真っ二つに割れた。この状況ではどうにも対策がとれなかったはずだ」と説明しているが、専門家は「直後の対応がしっかりと行われていれば、被害はもっと少なくてすんだはず」と残念そうに語る。

 まず船室を密閉できるようにする防水隔室構造を利用していれば、浮力を確保できた。このように迅速に対応が行われていれば、犠牲者はもっと少なくてすんだはずだ。この指摘に対して海軍は「機関室周辺で突然爆発し、一瞬にして船が真っ二つに割れ急速に傾いた。そのためそのような対応をする暇さえなかった」と説明している。艦艇では普段から、敵の砲撃によって穴が開いたり、船体が割れて海水が入ってくるなどの非常事態に備えた訓練を行っている。艦艇内には船室がいくつもあるため、損傷した部屋を直ちに修理して閉じてしまえば、別の船室による浮力で沈没を食い止めることができる。

 しかし安全保障問題のある専門家は「今回のような突発的な状況に対しては、普段からほとんど備えが行われていなかったことを認めた格好だ。この事故をきっかけに、再発防止に向けて危機管理の態勢を全面的に再チェックしなければならない」と指摘している。

28日朝、民間の救助隊である「韓国救助連合会」の会員らが仁川沿岸旅客ターミナルからペンニョン島に向かおうとしている。軍当局は行方不明者家族の求めに応じ、天安号の行方不明者捜索活動に民間の専門家も投入することにした。/キム・ヨングク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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