哨戒艦沈没:米メディア「北の介入可能性は小さい」

 米国のマスコミ各社は韓国海軍の艦艇沈没事故について、主に韓国で発表されている内容を引用しながら報じ、北朝鮮が介入している可能性は小さいという見方を強めている。ウォールストリート・ジャーナルは事故直後、米国務省のクローリー報道官の発言として、「北朝鮮が介入したといういかなる証拠もない」と報じ、性急に結論を下すべきでないと主張している。

 ブルームバーグ通信は日本に駐屯する米第7艦隊所属のファルボ大尉とインタビューを行い、同大尉は米海軍の救助艇が韓国政府から支援の要請を受けた場合には、直ちに支援に取り掛かれるよう待機中だ、と明らかにしたという。しかし、米国務省報道官のマーク・ライト中佐は、韓国政府からの支援要請は今のところないとしているが、在韓米軍の警戒レベルを引き上げたかどうかについてコメントを控えている、と報じた。

 新華社通信や中国中央テレビ(CCTV)など中国の国営メディアは、26日の事故直後から28日まで随時、「天安号」沈没についての速報を報じるるなど、大きな関心を示している。今回の事故の影響で、中国が力を入れている6カ国協議の再開に悪影響を及ぼさないか、神経を尖らせているようだ。

 事故が発生した直後、現場は軍事衝突が絶えず起こっていた海域でもあったことから、北朝鮮による魚雷攻撃の可能性があると発言していた専門家も複数いたが、時間が過ぎるに伴い「事故の可能性が高い」という見方が有力となっている。しかし一部の専門家は、今も北朝鮮が挑発を行った可能性を否定していない。

 CCTVの軍事評論家である宋暁軍氏は「この種の事故はよく発生するし、韓国もレーダーで北朝鮮の魚雷を発見していないと明らかにしている。事故の可能性は徐々に大きくなっている」と述べた。

 一方、北京大学国際戦略研究センターで副所長を務める朱鋒教授は、「爆発の時期はよく奇襲が行われる夜9時30分ごろという点からして、十中八九北朝鮮による仕業だ。6カ国協議に高圧的な韓米両国を念頭に置いた政治的措置かもしれない」と分析した。

ニューヨーク=朴宗世(パク・ジョンセ)特派員

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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