哨戒艦沈没:触雷した可能性について集中調査

 「真っ二つになるほどの強烈な爆発、暗礁や単純な事故の確率は低い」

 韓国政府および軍当局は、今月26日に発生した哨戒艦「天安」の沈没原因と関連し、1200トン級哨戒艦が一瞬で真っ二つになるほどの強烈な爆発が起こっていることから、船内でのミスや暗礁との衝突などといった単純な事故による可能性は低い、との暫定結論を28日に下したという。

 28日午後、事故後4度目となる安全保障関係長官会議が李明博(イ・ミョンバク)大統領により招集された。この席で、現段階では機雷により船が沈没した可能性が最も大きいと推定されるものの、結論を下してはないという。韓国政府の関係者は、「船の後尾が爆発した後沈没に至った状況、沈没する前までの船内の状況や付近の海域の地理的条件などを総合的に考慮すると、機雷による惨事の可能性がある。しかし、船について直接の調査がなされるまでは、事故原因について予断はできない」と語った。

 韓国軍当局もまた、船外で沈没原因が発生したものと見て、「潜水艇の魚雷攻撃もしくは機雷による沈没を優先的に考慮し得る。しかし、艦の精密調査がなされるまでは、正確な判断は難しい」という趣旨の報告を行ったという。機雷は水中に敷設され、通り過ぎる船を吹き飛ばす「海の地雷」で、魚雷は船もしくは潜水艦から船を狙って発射される「海のミサイル」だ。

 韓国政府は、機雷の主体が誰なのか、現在は判別しがたいという立場を取っている。大統領府(青瓦台)の関係者は、「今回の事件に北朝鮮が関与したという端緒はまだない」と述べ、ウォルター・シャープ韓米連合司令官も、「大統領府から発表したように、北朝鮮軍によるいかなる特異動向も探知されなかった」と語った。国会国防委員長を務める金鶴松(キム・ハクソン)議員(ハンナラ党)はこの日、平沢の第2艦隊司令部を訪れた後、「かつて韓国がまいた機雷のうち、回収できなかったものが爆発した可能性もあり、韓米連合演習に対応するため北朝鮮がまいた機雷が事故海域まで流れてきた可能性もある」と語った。反面、軍当局は「仮想の敵」が攻撃した可能性に重きを置いている。

 李大統領は会議で「徹底して調査を行い、内容は上がってきた通り、一点の疑惑もなくすべて公開せよ。疑惑が出る余地がないようにすべき」と指示した。また李大統領は、「あらゆる可能性を念頭に置いて調査し、うかつに予断してはならない。予断を根拠に混乱が生じてはならない」と語った。

朱庸中(チュ・ヨンジュン)記者

ユ・ヨンウォン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る