フィギュア:2連覇逃したキム・ヨナ、今後の進退は?

キム・ヨナ「時間が必要」

 五輪シーズンを終えたキム・ヨナ(19)=高麗大=の今後の選択肢は、大きく三つが考えられる。

 一つ目は、選手生活を続けるという道だ。キム・ヨナは、2006-07シーズンにシニアの舞台にデビューして以降、国際大会に18回出場し、すべて入賞(1位13回、2位2回、3位3回)という驚くべき成績を挙げている。メジャー大会である冬季五輪と世界選手権、4大陸選手権、グランプリファイナルをすべて制覇し、すでにカタリーナ・ビット(ドイツ)、ミシェル・クワン(米国)ら「伝説のフィギュアスケーター」と肩を並べたと言ってもおかしくはない。そんなキム・ヨナが現役を続けるのなら、少なくともあと数年はフィギュア界のトップの座に君臨し続ける可能性が高い。

 二つ目は、ロシアのエフゲニー・プルシェンコのように、充電期間を経て、再び国際舞台に戻ってくるという道だ。プルシェンコは2006年トリノ冬季五輪の男子シングルで優勝して以降、3年間国際大会から遠ざかっていた。ひざの故障のために集中してトレーニングを行うのが難しく、アイスショーへの出演を中心に活動してきた。だが、周囲の予想を覆し、昨年夏に復帰、バンクーバー五輪で銀メダルを獲得した。優勝したエバン・ライサチェク(米国)とはわずか1.31点の差だった。

 キム・ヨナも、1、2年ほど国際大会に出場せず、アイスショーなどに出演しながら充電期間を過ごせば、フィギュアに対する情熱と目標を取り戻し、国際舞台に復帰しても十分活躍できるだろう。もちろんプロとして活動する間も、「3回転-3回転」の連続ジャンプのような得意技の練習は続ける必要がある。プルシェンコは、アイスショーでも積極的に高難度のジャンプを跳び、勘が鈍らないよう努力していた。

 三つ目は、ファンにとっては最も寂しい話だが、キム・ヨナが完全にプロに転向するという選択だ。選手生活を始めた7歳のときから夢見ていた五輪の金メダルを手にし、「すべてがかなった」「五輪が終わったら絶対に引退しようと思っていた」と語っていたキム・ヨナ。

 自分の時間とエネルギーのすべてを費やし、苦しい練習と競争の重圧に耐えてきた選手生活から解放され、自由にフィギュアスケートを楽しむ人生も確かに魅力的だからだ。「考える時間がもう少し必要」と語ったキム・ヨナがどんな選択をするのか、すべては本人の意志次第だ。

 「フィギュアの女王」は31日昼(韓国時間)に帰国する。韓国国内ではCM撮影に追われ、来月開催されるアイスショー(4月16-18日)の準備もしながら、忙しく過ごす予定だ。京畿道軍浦市にある自宅を離れ、少し前にソウル市永登浦区汝矣島に借りたマンションに入居するとみられる。練習拠点のカナダ・トロントに戻るのは5月か6月になりそうだ。

成鎮赫(ソン・ジンヒョク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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