お笑いコンビ・次長課長(じちょうかちょう)は、2人がアルバイトしていた居酒屋の社員だった次長さんと課長さんにお金をもらい励まされたことを恩にきて命名されたらしい。とても良いエピソードなのだが、「次長課長」と自分たちを名付けるセンスには、この『肩書き』社会を揶揄する部分があるに違いない。
課長ならまだしも・・・次長である。いったい何の次なのか・・・その肩書きを見た人には、さっぱりわからない。部長と課長の間の「次長」で、部長の次だから、「次長」なわけである。なんか大人の配慮が見える典型の肩書きである。
数年前、大きな印刷会社の営業の人の名刺を見たら、肩書きが
「課長心得」
だった。何を心得ているのだ。そろそろ、課長だぞという立場を心得ているということか。うーん。その肩書きを見て、商談が盛り上がるとは思えない。ずーっと「心得」が気になって、この人は、何を心得てここに座っているのかを聞きたくて仕方なかった記憶がある。同じような肩書きに「課長補佐」ってのもある。では、「心得」と「補佐」では、どっちが偉い人なのか。心得ている分、補佐する人より偉い気もするが、、、本当のところはどうなんだろう?
係長 → 課長 →部長 →本部長は、まだ比較的わかり易い。ここに「補佐」、「代理」、「筆頭」、「副」、「心得」なんてのが入ってくると、ややこしくなる。
さらにさらに、ややこしくする曲者が「主」である。「主任」、「主事」、「主査」、「主任研究員」、「主席」、 「主幹」、「主担」・・・。こうなったら、出世魚の順番でも覚える方が簡単である。