吉本興業などが手がける「第2回沖縄国際映画祭」が28日、沖縄県宜野湾市の沖縄コンベンションセンターで最終日を迎え、人気お笑いトリオ「森三中」の黒沢かずこ(31)が主演し、女性芸人の恋愛と悲哀を描く「クロサワ映画」(渡辺琢監督、公開日未定)が、長編プログラムLaugh部門のグランプリと審査員特別賞の2冠に選ばれた。クロージングセレモニーで黒沢は、「女性芸人になって、本当に良かったです」と喜びを大爆発させた。
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「森三中」で唯一未婚の黒沢が、結婚より先に大きな勲章を手にした。
「クロサワ‐」は女性芸人ゆえの悲哀、喜び、挫折、友情を描いた作品で、黒沢をはじめ、椿鬼奴(37)、光浦靖子(38)ら登場人物はすべて実名で登場する現実とフィクションの間を描いた恋愛コメディーだ。
ストーリー上、黒沢のファンというイケメン俳優との恋愛も繰り広げられるが、現実の黒沢は「沖縄に来ても何もすることがなく、テレビ雑誌を買って、ずっとホテルでテレビを見ていました」と色恋ざたと縁がない。
そんな中、世界各国からエントリーした笑える映画13作品が競う「Laugh部門」でグランプリに輝いたことは大きな喜びとなり「映画祭に来られるだけでもありがたいのに、こんなことになっていいんでしょうか」と感動しきりだった。
授賞式でも「信じられません…」と終始しおらしい表情を見せていたが、司会の今田耕司から「歌で表現したらどうですか?」とふられると、水を得た魚のように「♪オ〜、サンキュー、ベリマッチ〜、恥ずかしくて目が開けられない」と即興の曲を歌い上げるお得意のくだりを披露し、芸人の底力を見せつけた。
映画祭は、昨年の3倍以上の約36万9000人が来場し、大成功のうちに幕を閉じた。次回は来年3月19〜28日の予定で開催される。