岡山放送局

2010年3月29日 19時7分更新

岡山理大で好適環境水施設完成


海に面していない内陸部で魚の養殖を行うための研究を進めようと海水の代わりに「好適環境水」という特殊な水を使ってマグロなどの大型の魚を飼育するための水槽を備えた施設が岡山市の岡山理科大学に完成しました。

この施設は、岡山理科大学を運営する加計学園が3億5000万円をかけて岡山市北区の大学の敷地内に作ったものです。

海水魚の養殖を内陸部で行う場合海水を運搬するのにコストがかかり、実現は難しいとされてきましたが岡山理科大学では海水に代えて独自に開発した「好適環境水」を使って低コストで魚を飼育する研究を進めてきました。

好適環境水は真水にナトリウムやカリウムなどの成分を加えたもので、完成した施設では飼育する魚の種類ごとに設けられた5つの大型水槽に好適環境水が入れられています。

大学では今後、これらの水槽でトラフグやクエなどの海水魚を飼育する計画で、ことし7月中旬からはワシントン条約の締約国会議で取引の禁止が検討された「クロマグロ」の養殖を始めることにしています。

岡山理科大学工学部の山本俊政准教授は、「今後、海水を使わずに魚を飼育する実験を行っていくことで山の中でも魚を家畜のように育てられる工場が実現できるように研究を進めていきたい」と話しています。