2010年3月29日 19時7分更新
岡山市にある国の史跡、千足古墳で、内部に描かれた文様がはがれ落ちているのが見つかったのを受けて29日石室の内部に水がたまった原因を調べるため電磁波を使って石室の構造を明らかにするための調査が行われました。
5世紀後半に作られたと見られる千足古墳をめぐっては、去年10月の調査で石室の内部の石に描かれた貴重な文様がはがれ落ちているのが見つかり、岡山市では石室の内部が長年、水に浸かっていたことから因果関係を調べるとともに今後の保存方法の検討を進めています。
29日は古墳を管理する岡山市の依頼を受けて奈良文化財研究所が電磁波を使って石室の構造を明らかにする調査を行いました。
29日は、研究所の3人の研究員などが現地を訪れ、古墳の上を1メートル間隔に仕切ったあと、電磁波の送受信機が入った箱を地面の上でゆっくりと引っ張り地下の断面の様子を調べました。
跳ね返ってきた電磁波を分析することで、地下の様子を探ることができるということで、岡山市などでは石室に水がたまった原因やなどを明らかにして今後の対策に役立てたいとしています。
岡山市教育委員会文化財課の扇崎由主査は「今後、古墳を管理・保存していく上で手がかりになるデータが得られることを期待している」と話しています。