哨戒艦沈没:行方不明者が家族に電話?

行方不明者の家族、「救助求めてきた」と訴える

国防部「通話記録ない」、専門家「深い海中からは無理」

 韓国海軍哨戒艦「天安(チョンアン)」(1220トン、乗員104人)の爆発・沈没事故で、28日午後3時ごろ、行方不明者の家族の一部が「息子が『閉じ込められている。助けてくれ』と携帯電話で助けを求めてきた」と訴えたため、生存の可能性をめぐり、一時騒然となった。だが、国防部は「通話記録を確認したが、そのような事実はなかった」と発表した。

 専門家は、「海中深くからは携帯電話が通じない」としている。韓国電子通信研究院(ETRI)電波技術研究部のキム・チャンジュ部長は「携帯電話の電波は水面に触れる瞬間、ほとんど反射される。水を貫通するのは電波のごく一部。水中を通過する際、電波のほとんどが損なわれる」と説明する。そして、「携帯電話がぬれていないと仮定した場合、水深1-2メートルなら運良く通話できることもあるが、水深数十メートルでは乗員が密閉された空間で生存していたとしても、通話は不可能だ」としている。

 行方不明者の家族の一部は「携帯電話をかけた時、発信音が鳴るから、水にぬれないでどこかで生きているのでは」といちるの望みをかけている。しかし、専門家は「発信音が鳴るということだけでは、生存しているかどうかは分からない」と説明する。

 KTやSKテレコムなどによると、携帯電話の終了ボタンを押さないままバッテリーを外したり、バッテリーが切れたりした場合、または携帯電話がぬれて故障したり、破損したりした場合でも、電話をかければ発信の信号音は正常に鳴るという。携帯電話の終了ボタンを押し、電源を切った場合だけ、携帯電話が基地局に信号を送り、「電源が切れている」という音声案内につながるようになっているとのことだ。

張祥鎮(チャン・サンジン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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