哨戒艦沈没:専門家の分析とは(下)

(5)現代重工業特殊船事業部の専門家B氏

 「天安艦は、米国海軍方式で設計した戦闘艦なので、船の全長の15-17%が壊れても浮かんでいられる。“水密隔壁(船の内部を区切る壁)”が三つ連続して壊れない限り沈没しないが、小型魚雷1発程度では“真っ二つになって沈没”は難しい。しかし、機雷に当たったのなら、水中で衝撃波が発生し、どっと浮き上がる現象が起こる。天安艦が20-50センチ程度持ち上げられた、という生存乗組員の証言も、機雷の可能性を後押しするものだ」

(6)艦艇爆発を専門とする国策研究所のC博士

 「船は思ったより頑丈でしっかりした構造だ。艦内の爆発でもって真っ二つにするのは、不可能に近いと見てもいい。生存乗組員の証言の中に、“火薬のにおいがしなかった”というものがあり、これに注目する必要がある。これは、機雷や魚雷が船に当たって破壊が生じたのではなく、非接触で水中爆発したことを後押しする証拠だ。特に、魚雷や機雷が爆発すると大変なバブル(気泡)が発生するが、バブルが膨張・収縮してつぶれる時に発生する“バブルジェット”という力が、水柱のように船を強打することになる」

(7)キム・ヨンファン・ソウル大造船海洋工学科教授

 「これまでの事故の事例や実験を分析してみても、艦内の油蒸気(油が蒸発した気体)爆発程度の事故で、1200トン級の船が真っ二つになってすぐに沈没したケースはなかった。現在のところ、外部の水中爆発の可能性が最も大きい」

(8)白承周(ペク・スンジュン)国防研究院博士

 「魚雷や機雷1発で哨戒艦が一気に真っ二つになって沈没したのであれば、軍事の教理を書き直さなければならない状況だ。艦内の安全上の事故である可能性がある。魚雷や機雷などが、船の最も脆弱(ぜいじゃく)な部分である爆薬・油類の貯蔵区画を1発で正確に攻撃することは難しいだろう」

(9)匿名の軍事専門家

 「“内部テロ”の可能性に、慎重に言及したい。1980年代半ばに、何の問題もなく大学まで出た将兵が、GOP(前方哨所)勤務兵を射殺して北朝鮮に逃走した事件があった。今回も、不純分子が侵入し、船の弱点を狙うことができたのではないか」

アン・ヨンヒョン記者

李竜洙(イ・ヨンス)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
関連記事 記事リスト

このページのトップに戻る