表彰式で花束を手に笑顔の(左から)2位の金〓(59F8)児、優勝した浅田真央、3位のラウラ・レピスト(共同)
「フィギュア世界選手権最終日」(27日、トリノ)
迫力満点の演技で圧勝した五輪の再現はならなかった。SP7位と出遅れたキム・ヨナはフリーでもミスが出て、真央に次ぐ2位。それでも「いくつかジャンプでミスしたが、大会を終われてうれしい」と話す顔に悔しさはなかった。
同じ年の五輪、世界選手権で2冠を獲得すれば、女子では1992年のクリスティ・ヤマグチ(米国)以来の偉業だった。だが前日のSPはスピンに入り損ね、スパイラルの途中で脚を下ろしてしまう、信じられないミスを連発した。
今大会を振り返っていても「こんな失敗を五輪でしなくて良かった。人生最大の目標だった試合でSP、フリーともクリーンに滑れたから」と話は五輪に戻り、心はまだバンクーバーにあるようだった。
韓国で国民的スターとなり、米経済誌フォーブスが昨年の年収を800万ドル(約7億4千万円)とはじき出した19歳には、今季限りでプロ転向の観測が根強い。勝負師の顔でなくなった五輪女王は「休んでからゆっくり考える」と、将来についての明言を避けた。
(2010年3月28日)