【 ここから本文 】
- TOP
- > News : ネットワーキング
- >
ネットワーキング
ソーシャルブックマークに登録 :
印刷用ページの表示
[欧州]
スウェーデンのIXが中国のDNSルート・サーバを遮断
TwitterやYouTubeへのアクセスが中国のサイトにリダイレクトされる問題を解消
(2010年03月29日)
スウェーデンのインターネット・エクスチェンジ(IX)であるNetnodは、同社が中国で運用しているDNSルート・サーバが先週チリと米国で発生したネットワークの問題に関わっていたとして、インターネットとの接続を遮断した。
これにより、一部のインターネット・サイトが中国政府の構築したシステムに検閲されるという問題は解消されたもようだ。
チリ・ネットワーク・インフォメーション・センター(NIC Chile)のオペレーターが、中国から発信された誤ったDNS情報が複数のISPに配信されていることに気づいたのは3月24日。中国は、DNSシステムを使ってインターネットの検閲を行っており(いわゆる「万里のファイアウォール」)、これらのISPでは、この不正なDNS情報が使われていた。
このため、これらのISPのネットワークを利用しているユーザーがFacebookやTwitter、YouTubeにアクセスしようとすると、中国のコンピュータに接続してしまうという状態になっていた。
NIC Chileが3月26日に出した声明によると、同国ではVTRやTelmexなどのISP(いずれもアップストリーム・プロバイダーであるGlobal Crossingと契約している)が影響を受けたという。また、この問題が初めて報道されたのは24日だったが、すでにその数日前から発生していたと見られている。
この問題の影響は、米国カリフォルニア州にあるNIC Chileのサーバにも及んでいたという。このサーバが不正なDNS情報を受け取った経緯は解明されていないが、NIC Chileは、ドメイン登録業者のNetwork SolutionsやEquinix経由で送られた可能性が高いと見ている。
これに対し、Network Solutionsのエンジニアリング担当バイスプレジデント、リック・ウィルヘルム(Rick Wilhelm)氏は、NIC Chileにバックボーン・プロバイダー・サービスを提供しているわけではないとして、同社原因説を否定した。またEquinixとGlobal Crossingは、今すぐコメントすることはできないとしている。
NetnodのCEO、カート・リンドクビスト(Kurt Lindqvist)氏によると、同社は、問題のサーバが行ったルート・アナウンスメントを取り消す措置を取ったという。これにより、このサーバは、インターネットとの接続を事実上遮断された。なお、同氏に電子メールでインタビューしたところ、遮断した時期は記憶していないとの答えだった。
Netnodは、自社のサーバにインターネットのトラフィックをリダイレクトするような不正なデータが入っていたわけではないと説明しており、セキュリティ専門家も同様の見解を示している。ある専門家は、万里のファイアウォールを機能させるため、中国政府が同国内のネットワークのどこかでデータを書き換えたのではないかと分析している。
(Robert McMillan/IDG News Serviceサンフランシスコ支局)
- 関連キーワード
- セキュリティ・マネジメント|ネットワーキング|ネットワーク基盤
- ■ 新サービス ■ うっかり誤送信を防ぐ、メール専用ホスティングとは!?
- グローバル・ビジネスを成功に導くストレージ活用術とは?
- ■東京発「旧Office製品やWindows資産をどう移行するか?」無料セミナー
[米国/中国]グーグルの中国ユーザー向け検索サービス、ポルノ検閲は継続中
中国当局に一定の配慮?
[中国/米国]中国当局、グーグルを猛烈批判、「検閲停止は完全な間違いだ」
香港経由での簡体字中国語サービスに不満と憤りを表明
Register.comのユーザー名/パスワードが略奪されたとセキュリティ専門家が推測
[世界]DNSの安全性を疑問視するICANN CEOの発言が批判を呼ぶ
「各国政府の大きな不安を呼び起こしかねない」と支持組織
[米国]グーグル、独自のDNSサービス「Google Public DNS」を発表
ねらいはWeb閲覧の高速化とセキュリティ強化