Tue, April 07, 2009 stanford2008の投稿

【事務所報告】高速PCによるモンテカルロ計算演習セミナーに参加した"招かれざるお客様"の生態学

テーマ:ブログ

2002年から今日まで高速PCによる各種モンテカルロ計算演習セミナー(本欄バックナンバー参照)の講師を務めた桜井淳所長からの報告を総合すれば、"招かざるお客様"(参加してもらいたくない迷惑な人達)とは、次のような人達のことです。


(1)募集要項に反してPC使用経験のまったくない人(原研那珂研研究者)。

(緊急策として、そのような人に対しても、操作手順をひとつひとつ指示して、他の参加者と同じように学べるようにしました。)


(2)募集要項に反してOSと処理速度(何GHzか)の報告をしてこない人(原研東海研研究者や阪大レーザー核融合研教員等)。

(申込者の中には、報告義務の意味を理解できていない人がおり、OSは、作成したプログラムインストール用CDが指定OSのオートインストーラーによって確実に読み込めることの確認であり、処理速度は、モンテカルロ計算には時間がかかるために、他の人達と同じように計算実行が可能かどうかの確認のためで、中には、いまでも、2-3GHzの時代に、無断で、150-300MHzのPCを持参する人もいましたが、緊急策として、そのような人達に対しても、ヒストリー数を減らして計算させ、他の人達と同様に、定量的な議論をしました。)


(3)募集要項に反して指定OS以外のOSを搭載したPCを持参した人(原研東海研研究者)。

(プログラムのインストールができないため、ルール違反を理由に、退室命令を出しました。)


(4)当日無断欠席する人(原研大洗研職員やサイクル機構東海事業所職員等)。

(、本人と上司に注意し、それでも改まらない組織については、参加させない方針です。)


(5)募集要項に反して組織内の共用PCを持参して設定条件がまったく分かっていない人(サイクル機構東海事業所職員)。

(インストールできなかったため、対応策がなく、偶然、サイクル機構東海事業所が開催組織場所に近かったため、正常なPCを取りに行かせました。)


(6)当日持参したPCが壊れていた人(企業から原研への出向者)。

(開催組織内の人であったため、すぐに、正常なPCを取りに行かせました。)


(7)当日持参したPCのCDドライブが作動不能だった人(中部電力エンジニア)。

(緊急策として、インストールした人のPCからUSBで記憶させ、CDが不能な人のPCにそのUSBの情報を読み込ませ、予定どおり、計算演習を行わせました。)


(8)インストール用プログラムと入力データを記憶させたCDの手を触れてはならない面に指紋を付けてしまった人(高エネルギー研研究者)。

(インストールしても正常に計算できない原因が分からず、午前中の2時間、原因究明を行い、手を触れてはならない面に指紋が見えることに気付き、テッシュペーパーでていねいに拭き取り、再インストールしたところ、正常に計算できました。)


(9)セミナー進行の秩序を乱す人(原研東海研研究者)。

(その場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)


(10)講師の注意事項をまったく聞いていない人(日製の原子力部門エンジニア等)。

(桜井所長はその場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)


(11)講師に対して失礼な発言や態度の人(三菱重工業エンジニア等)。

(その場で注意しました。そのようなことが繰り返されるようであれば、その組織からの参加を認めない方針です。)


なお、国際会議や研究会の開催経験に拠れば、どのように注意して対策を立てても、約6割の参加者はごく普通の問題ない人達ですが、約3割の参加者は"招かれざるお客様"であり、残りの約1割の参加者はかくありたいと願うくらい優秀な人達でした。問題は約3割の"招かれざるお客様"への対応です。


そのような人たちに対しては、直接本人と上司にそのことを報告して注意し、それでも改まらない場合には、該当組織から参加させない方針です。求めている人物は、真面目で、誠実で、礼儀正しく、向学心のある人で、特別な条件を課しているわけではありません。


2007年4月からのセミナー有料化にともない(2002年4月から2007年3月までの約400名の参加者に対しては、研究目的のセミナーであったために、無料でしたが、それ以降の約200名に対しては、有料です)、ピジネスに徹するため、セミナー事務局担当者は、参加申込者に対して、2-3回のメールのやり取りの過程から、たとえ定員に満たなくても、上記条件を満たしていると受け止められる人達しか参加を認めないようにしています(ひとりもいなければ中止します)。これまでの約600名からのメールでの申込内容(組織名・所属・メールアドレス・参加目的)は、すべて保存してありますので、当時のセミナーの様子や進捗状況をいつでも再現することが可能です。


"好ましい人達"の生態学は次のように要約されます。


(1)申し込みのメールや事務局からの質問に対する返信メールの内容が的確であって、自身の信頼性の証明や目的・ゴールを明確に表現できること、


(2)開始時刻を守れること、


(3)受講や質問の際の表現がうまく、自身に能力があることをそれとなく表現できること、


(4)周囲に分からない人がいると、それとなく助けることができること、


(5)全体がうまく進むような配慮ができることです。


特に、(4)を評価しています。これまでの約600名の参加者のうち、特に、最も優秀だと感心したのは、東大大学院工学研究科原子力専攻の人(桜井所長の知り合いのM先生の指導を受け、大学院修了後、動燃の外来研究員、原研の外来研究員を経て、当時、筑波研究学園都市にある産業技術機構に就職したばかりとのことでした)で、服装・言葉使い・質問の仕方・討論の仕方・知識の表現等、すべて、パーフェクトであって、それ以上のものは望めないと思えるほどでした。


そのことを、大学院の時の指導教官のM先生と原研の外来研究員の時のN室長にメールで伝え、最大限の賞賛と敬意の気持を表現しました。良くできると感心する人は、これまでの約600名の参加者のうち、1割の60名で、その中でも、特に優秀で賞賛すべき人は、2-3名にすぎません。その2-3名に出会えることを楽しみにしています。

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