東海大・木村教授が語る「ソーラーカー時代」(下)
木村教授は「今でもソーラーカーは、一般の道路を走ることができる」と語る。走行時間を1日3時間ほどに減らせば、人間が簡単に乗り降りできる流線タイプが可能とのことだ。大量生産を行えば、車の価格を1000万円以下に抑えることもできるという。木村教授は2030年のソーラーカーの未来について尋ねる質問に対し、「20年前にはパソコンのウインドウズが今のように発展するとは誰も予想していなかったはず」と答えた。つまり、20年後のソーラーカーの行方は、誰も予測できないということだ。木村教授は逆に、「2030年に馬かソーラーカーのどちらかにしか乗れないとしたら、あなたは馬を選びますか」と問い返した。
木村教授は「ソーラーカーが路上を走るであろう未来は、必ずしも幸福な新世界ではないかもしれない」と前置きした上で、「中国やインドの産業化により石油が底をつき、地球温暖化で二酸化炭素の排出が全面的に禁止されることも考えられる。2030年には人間にとって、馬かソーラーカーのいずれかしか残っていないかもしれない」と語る。
また、洗練されたセダンタイプのソーラーカーの登場を期待する人たちには、次のように説明する。
「実用化のためには、太陽電池とモーターの効率を最大限に高め、重さも300キロ以下にまで軽減し、車体と車輪も最小化しなければならない。板状タイプのソーラーカーを実用的な流線タイプにすると、空気抵抗は3倍になる。そうなると、1日に使える時間もわずか数時間になるだろう。雨が降るなど悪天候が続く梅雨には、車は駐車場に止めておくしかない。つまり、天気の悪い日には馬に乗るしかないということだ。車体の重量が300キロを超えてはならないため、家族が格好いいセダンに乗ってレジャーを楽しむ今のような時代は、もはや来ないかもしれない」「ただよく考えてみると、なぜ誰もが今のように毎日、一日中車に乗らなければならないのだろうか。2030年にソーラーカーが路上を走る時代が訪れたら、人間のライフスタイルは大きく変わるだろうし、また変わらざるを得ない。石油を大量に使う今の人間にとってはむしろ、最も豊かな時代になるかもしれない」
神奈川=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員
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