番外編 ハイエース修理の巻
現在、自分はトランスポーターを所有していない。
以前はハイエースのスーパーGLに乗っていたのだが、結局一度もバイクを積むことは無かった。
そのスーパーGLは中古で買って、結局オドメーターが15万キロ少々というところで噴射ポンプから燃料が漏れ始め、ボディにもガタがきていたので手放すことにした。
その後は同じハイエースでもワゴン車(8人乗り)に乗り換え、1KZ-TEというそこそこパワフルなエンジンで走りは快適、燃費は最悪という感じで過ごしている。
スーパーGL(エンジンは3L型2800ディーゼル、2WDのロング)だと満タンで500キロ以上走る事が出来たが、今のワゴン(3000ディーゼルターボ、フルタイム4WD)は300キロで残量警告が点灯し、いいとこ330キロしか走れない。
東北道から首都高に乗る前に給油が必要という、なんとも地球温暖化に貢献(?)しまくっているクルマです。
そのハイエースワゴンもまもなく走行15万キロを迎えようというところで、またもやポンプから燃料漏れ発生。
ここ数ヶ月、始動性も加速も悪くて「コレは寿命か・・?」と諦めかけつつも、トヨペットでみてもらい、燃料フィルタ(20年以上いろんなクルマに乗っているけど、未だかつて交換したことなかった)を交換したらたちどころに復活!調子がいいのでバンバン踏んでいたからかどうかは判らないが、ある朝リモコンでエンジンを掛けて暖気中、家の窓からクルマを見ると・・・「エンジンの下から大量の液体が流れ出している!」
実は数年前に冷却水漏れを起こして結局ラジエーター交換を余儀なくされたのだが、今回は無色の液体なのでLLCではない。
ほとんどの油脂には色がついているのでほぼ確実に燃料かな?と思って臭いを確かめると、「間違いなく燃料じゃん!」
で、エンジンルームを覗いてみると、ポンプの上部が軽油まみれ。
「あー、いよいよ終わりか・・・。」と思いつつ、とりあえず走るのでそのまま乗っていたが、どうやら燃料漏れは朝イチだけで、その後止まるらしい事が判明。
この時期(2月はじめ)の早朝は余裕で氷点下なので「極冷間時はポンプのシールが収縮していて燃料が漏れる」と分析した。
暖気後にポンプをパーツクリーナーで掃除すると、その後は漏れていない。
実は燃料フィルタ交換に至る過程で、様々なサイトをみて原因を分析していたのだが、その中に今回の燃料漏れと同様の事例についての情報があった。(漏れるだけで機能的にはちゃんと走る風)
いろいろ見ていると「自分で該当部分のO−リングを交換すれば直る」らしいことが判った。汎用のO−リングを使用すればパーツ代は数百円との事。(DENSO品番で純正のOHキットを買っても4000円程度らしい)
ディーラー等でも修理してくれる場合もあり、その場合は使用するパーツにもよるだろうけど恐らく1万円台ぐらいかなー?
お店によっては「ポンプ内部には触れないんでASSYでリンク品に交換」なんて言われて15万諭吉コースになる場合もあるらしい。
恐らく、前のスーパーGLも同じ症状だったのだろうけれど、当時はこういった情報が今ほど簡単に入手出来る時代(大げさかな?)ではなかったので短絡的に「ポンプ交換するなら代替」と結論づけてしまったのですね・・・。
前置きが長くなったが、そういうわけでセルフ修理を決断。
前日の朝イチにエンジンルームを見ながらを始動してみると・・・「あらあら、こんな事に・・」ポンプ上部のセンサの付け根からもの凄い勢いで燃料が外部に噴射されている!!!
たまたまインマニの裏側に向かっていたからいい様なものの、何も遮るものがなければ車内が燃料まみれになるとこでした・・・。
というわけで、作業ついでに自分が検索していた時に具体的な画像で手順を紹介している人がいなかったので、(ま、それでも判るようなレベルの作業ですけど)同様のトラブルで困っている方の参考になればと思い、画像入りで手順を紹介することにした。
一応、長年レースをやってきたので、基本工具は持っているという前提です。
(必要な工具を全部揃えても3000円かからないけどね)
前日に、ネットの情報を元にホームセンターで購入したO−リングとパーツクリーナーを準備して作業開始。
手順は以下の通り。
| 1.分解時にポンプ内に異物が入らない様に周囲をキレイにする。 パーツクリーナーを1本使うぐらいの勢いで周りをキレイにしましょう。スプレーだけでは十分に落ちないので、ウェスやブラシ等を使うべし。 |
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| 2.作業のジャマになる補器類や配線を外す。 とりあえず写真の3点。Aのバキュームセンサーはインマニへの取り付けボルト(10ミリ)を外すとサージタンク(?)ごと外れるのでジャマにならないところにずらすだけでもOK。 ヘッドから燃料フィルタに向かって伸びているアース線もジャマになるのでラジエータ側にずらしておく。 |
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| 3.カバーを取り外す前に、センサー(ポンプ内部と配線で繋がっている)をフリーにする必要があるので、センサーの固定ナットをロックしているワッシャのツメを拡げる。 | |
| 4.センサーの固定ナット(32ミリ)を外す。 それほどトルクが掛かっていないのでウォーターポンププライヤでも緩むらしい。 32ミリのボックスと首振りのエクステンションがあればバッチリです。 |
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| 5.ナットを外したら、プレート状のワッシャも取り外す。 |
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| 6.燃料ホースを2本とも外す。 |
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| 7.ポンプカバーのボルト(5ミリのヘキサゴン)を外す。 周囲が狭いのでL型のレンチでは少々厳しい。 せめてボールポイント付きのT型レンチが欲しいところ。 固着はみられず、スンナリ回りました。 |
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| 8.ここまでの作業でポンプカバーがフリーになります。 写真矢印の部分がポンプ本体とずれているのが判る。 ポンプ内は燃料で満たされていますので、センサーが水没しないようにカバーを取り外します。 |
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| 9.ポンプカバーを外したところ。 矢印のO-リングを交換する。 外すときはカッターで切断しますが、ポンプ内に落とさない様に注意。 手も切らないようにね。 |
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| 10.新品のO-リングを取り付けて、逆の手順で各部品を取り付けてエア抜きをすれば完了。 写真を取り忘れたが、カバーとポンプの合面にはO-リング状のパッキンが入っている。(年式によってはガスケットという場合もあるらしい) 組み付け前には清掃してグリスを薄く塗布した。 センサーのO-リングには燃料を塗布して組み付けた。 エア抜きは@のボルト(14ミリ)を外した状態でAのプライミングポンプを手で押して行う。 |
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| 11.交換したO-リング 今回は仕事帰りに寄れるホームセンターで購入した。 恐らく水道周り用なので耐油性は定かでない(包装には油周りに使うなと注意書きがある)が、同じものを使用して修理したという書き込みがあり、トラブルは報告されていなかったので問題ないはず。 また漏ったとしても、次回は30分程度で交換出来るだろうし・・・。 近いサイズを2種類購入したが、取り外したO-リングと比較して若干小さい方を使用した。(写真左) 2本入りで130円程度なので、1本あたり100円にも満たないので安上がりですねー。 部品代よりもパーツクリーナーの方が高かったね。 |
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| 12.最後に 最低限のクルマいじりのスキルと工具があれば出来る様な作業ではあるが、もしもこのページを参考にやってみる!という方がいらしたら「あくまでも自己責任で」お願いします。 使用したパーツも含めて、筆者はこの内容を奨励する、という意図はありませんのであしからず。 ポンプ内に異物を落とさない限り、失敗する確率は極めて低い作業だとは思いますけど・・・。 それと、作業はなるべく無風時に行いましょう。 ハイエースの場合、助手席を開けっぱなしでの作業になるので、風の状態によってはポンプ内にゴミが入りかねません。 |
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